2015年05月04日

ぬいぐるみハンター「すべての犬は天国へ行く」

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殺し合いの果に男が一人残らず死に絶えた西部の町の古びた酒場。
今や、来る客はいない。女達は途方に暮れて、ただ酒を飲む。
二回の売春宿も商売あがったり。
やがて、奇妙な町のバランスは女達をひとり、
またひとりと蝕んでゆく…。
ほんの少しだけ砂埃が舞い、数発の銃弾も飛びかう、
女性だけの異色西部劇。
(チラシより)

2015/05/04-13:00
ぬいぐるみハンター「すべての犬は天国へ行く」
王子小劇場/全席指定3500円
脚本:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
演出:池亀三太
出演:ザンヨウコ/月野木歩美/たなか沙織/工藤さや/今城文恵/志賀聖子/松本みゆき/袋小路林檎/鳴海由莉/中西柚貴/矢頭睦/宍泥美/青山祥子/岸茉莉/小川夏鈴/飯塚美花/西村由花/やないさき/土田香織
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2015年04月25日

突劇金魚「ゆうれいを踏んだ」

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お肉屋さんでコロッケを2つ買った帰り道、
電信柱の傍で「ぎゃっ」て声がした。
足元を見たら、おっきなゆうれいが寝転がっていた。
「ご、ごめんなさい」と言って足を退けて、走って逃げた。
商店街で振り向くと、ゆうれいがついて来た。
ゆうれいは家までついて来て、私の部屋にどっかと座った。
夜、頭が冷たくて目を覚ましたら、ゆうれいが、私の頭に水を垂らしていた。
「ナニすんのっ」って頭を触って、気がついた。
つむじに何かついている。
鏡でつむじを見 てみると、小さな木の芽が生えていた。
ゆうれいがジョウロを持って迫ってくる。
こいつ、この木の芽を育てるつもりだ。
(チラシより)

 上記のあらすじ?は本編とはあまり関係ない。でも実際のあらすじを書けと言われても難しい。チラシのイラストにある、頭に木が生えた女の子が主人公(片桐慎和子)。でっかいハゲが幽霊(殿村ゆたか)、黒メガネがおばあさん(有北雅彦)。家族の話のような、少女の成長の話のような、ただの不条理劇のような。

 途中まで単なる不条理系のコメディだと思っていたので、細かいことは頭に入ってこなかった。展開もよく覚えていない。しかし終盤になってから、あの木が何かのメタファーなのではないかと思い始めたら、急に重い作品に感じられてきた。しかし実際にそうなのかどうか、正直なところよくわからない。

 前回の「漏れて100年」も非常に何かのメタファーに見える作品だったので、どう受け止めるべきか判断するのが怖い。

2015/04/25-15:00
突劇金魚「ゆうれいを踏んだ」
こまばアゴラ劇場/当日清算3000円
脚本・演出:サリngROCK
出演:片桐慎和子/山田まさゆき/有北雅彦/大畑力也/Sun!!/殿村ゆたか/ののあざみ
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2015年04月18日

水素74%「誰」

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知らねえよ、お前の気持ちなんか。
派遣社員である箕輪は、人と触れ合うこともなく孤独な日々を送っていたが、ある日、それに耐えられなくなり、隣室に住む大学生の木田を脅迫し、無理やり自分の親友にさせる。そして、より多くの友人を獲得するため、木田が入っている大学のサークルに入り込む。そのサークルは「まなざしの会」というもので、活動内容は会員同士お互いに見つめ合うこと。誰がなにをしているのか絶えずケータイで連絡を取り合い、お互いに気を使い合って優しく話を聞いてあげること。「まなざしの会」に箕輪が入り込み、気を使わずに本音を吐露することによって、表に出ていなかった会員たちの疑心暗鬼や不満が表面化し、会は崩壊の一途を辿る。
(チラシより)

 上記のあらすじでは箕輪という人物が異常者で木田などは被害者のようだが、実際は全員が異常者だ。ある場面で異常者に絡まれている正常者に見えた人物が次の場面では異常者の本性を表していく。というパターンが繰り返される。実に気持ち悪い。

 最終的にはやっぱり箕輪が一番異常者なのだが、もしかしたら一周りして彼が一番正常かもしれないと思わされたりする。いや違うだろ。

 水素74%はいつもちょっと(または、とても)頭のおかしい人物が出てくるが、今回はスカッとするほど全員おかしい。こういうのが好きな人にはたまらないだろう。私もその一人だ。でも小劇場に慣れていない人を連れて行ったら吐くかもしれない。

 いい意味でとても気持ち悪かった。

2015/04/18-19:00
水素74%「誰」
こまばアゴラ劇場/当日清算2800円
脚本・演出:田川啓介
出演:浅井浩介/鮎川桃果/折原アキラ/野田慈伸/前原瑞樹/長谷川洋子/吉田彩乃/山科圭太
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劇団チョコレートケーキ「追憶のアリラン」

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1945年8月、朝鮮半島は35年の長きにわたる日本の支配から解放された。
喜びに沸く半島で、在朝の日本人は大きな混乱に巻き込まれた。
拘束され、裁かれる大日本帝国の公人たち。罪状は「支配の罪」。
70年前、彼の地朝鮮半島で何が起こったのか?
一人の日本人官僚の目を通して語られる「命の記憶」の物語。
(チラシより)

 大日本帝国占領下の朝鮮は平壌にあった裁判所に、検事として赴任した主人公。その同僚と部下、家族、そして軍の将校や朝鮮独立運動家(日本敗戦後は人民政府の役人)たちが登場し、日本敗戦前後の混乱期におけるギリギリの交渉と交流を描いている。

 この劇団を観たのは初めて。劇団名に似合わない固くて重い、そして苦い内容だ。敗戦時に満州に居た人々の引き上げについては聞いたことがあったが、北朝鮮については知らなかったし考えたこともなかったので、ちょっとした衝撃を受けた。

 当日パンフには以下の断り書きがある:
この物語は歴史的事実を参考にしたフィクションです。あくまでも創作された「おはなし」であるということをあらかじめ強調させていただきます。
 しかしドキュメンタリーだと言われても信じてしまうレベルのリアリティは感じられた。もちろん私はその時代の現地を知っているわけではないので想像ではあるが、どのエピソードをとっても、当時の状況からは必然的にそうなるであろうと納得させられる展開だった。

 本作では日本人も朝鮮人も皆、自分の信じた道を貫こうとしている。ああいう時代においてはそれだけが正気を保つ術だったのではあるまいか。恐らく、比較的悪役っぽく描かれている将校もまた、守りたいものがあったのだと思う。そしてこの舞台に本当の意味で政治を動かしている者は出てこない。皆、現場で右往左往している民衆だ。本物の悪人がいるとすれば、舞台の外にいたのだ。

 今の御時世にこのテーマを扱うのは勇気がいったのではないかと思う。それも単に扱っただけでなく、非常に高いクオリティで作り上げたことに拍手を贈りたい。

2015/04/18-14:00
劇団チョコレートケーキ「追憶のアリラン」
東京芸術劇場シアターイースト/当日清算3300円
脚本:古川健
演出:日澤雄介
出演:浅井伸治/岡本篤/西尾友樹/月影瞳/佐藤誓/辻親八/大内厚雄/永井若葉/青木シシャモ/菊池豪/佐瀬弘幸/渡邊りょう
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2015年04月11日

The end of company ジエン社「30光年先のガールズエンド」

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30光年先の未来の光届くはずの場所にいた、知らない星を見ようとして今を見ようとしないあなたたちへ
知ってる星に居なかった今の私を見ようとしないあなたたちに、思い出せないくらい遠い場所にいて18年間立っていた、私たちの身体たちへ
(チラシより)

 もうすぐ女子高生でなくなるガールズバンドと、練習場所のスタジオ。彼女たちを取材するライターの男、会話の下手なスタジオスタッフ、別のバンドのいい年したメンバーとその彼女。スタジオには立てこもっている女がいて入れない。外は雪。雪に触れるとゾンビになるという。

 時空が歪んで、彼女たちは18歳だったり30歳だったりする。この行き来がとても素敵に感じだ。あの世界に入り込んで時空の隙間に潜ってしまいたくなった。

 ジエン社は同時発声が多い戯曲という印象で、今回もある程度そういう部分はあったが、過去の作品に比べるとかなり見やすくなっていた。決して手を抜いた感じではなく、より熟成した結果としてそうなったと思われる。良いと思う。

 うまいこと褒められないが、とても好きになれる作品だった。

2015/04/11-19:30
The end of compny ジエン社「30光年先のガールズエンド」
早稲田どらま館/当日清算2500円
脚本・演出:作者本介
出演:伊神忠聡/後東ようこ/清水穂奈美/菅原佳子/浜口寛子/三嶋義信/山本美緒/善積元
音楽:まがりかど
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ニットキャップシアター「カムサリ」

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《待望の「古事記 × 団地劇」…台風が、来る!》
団地に風の音が響く。
8階建て。階ごとに6部屋。合計48部屋。
中央に階段。右端にエレベーターがあります。
これは団地を舞台にしたお話です。
風がまた強くなった。
もうすぐ台風が、この団地にもやってきます。
(チラシより)

 古事記のエピソードをモチーフに、現代の団地で暮らす人々のお話。正直、この翻案がどういう意味を持つのかよくわからなかった。なんとなく断片的に心地よいのだが、芝居の全体像は飲み込めなかったと思う。

 ストーリーの展開を追うというより舞台上から溢れてくる世界観に飲み込まれるような印象で、ぶっちゃけ途中でかなり寝てしまったのだが、つまらなかったわけではなく心地よかった。だから作品の内容はちゃんと書けないが、気持よかったことだけは覚えている。

2015/04/11-14:00
ニットキャップシアター「カムサリ」
座・高円寺1/当日清算3500円
脚本・演出:ごまのはえ
出演:門脇俊輔/高原綾子/澤村喜一郎/市川愛里/織田圭祐/下川原浩祐/ごまのはえ/村木よし子/平林之英/黒木夏海/仲谷萌/西村貴治/コタカトモ子/河波哲平/中田美優
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2015年03月29日

MU「少年は銃を抱く」

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祖父が戦時中にくすねた銃を、
不登校の少年へ分配する。
これはお守りであって、
それ以上でもそれ以下でもない。

繰り返す。

それ以上でもそれ以下でもない。
(チラシより)

 その庭で急逝した伝説的なミュージシャンの歌を繋がりとして、不登校の子供達が集まる家。その管理者の息子として育った主人公は引きこもりとなるが、祖父のピストルを得て何かが変わる。

 武器を持つことで強くなった気がして、いざとなればやれるという気持ちにすがって自分を保つ。強くなかった子供ならそういう経験のひとつやふたつ、あるのではないか。でも本当の勇気を持てた時はそれをやめるのだ。自分の心が武器になるのだ。

 さて本作の主人公はどうだろう。結果的に銃を失うまですがり続けた彼は、やはり弱い子達だと思う。ああいう子供を大人はどう扱うべきかは難しい問題だが、最後は本人が見つけるしかないのだろう。

 繊細な少年を見事に演じた小沢道成が良かった。また、第3部で激しい議論?を繰り広げた先生たちもまた等身大で親しみが湧いて面白かった。思ったことが全部口に出てしまう理科教師はぜひ友達になりたいと思った。

2015/03/29-14:00
MU「少年は銃を抱く」
駅前劇場/当日精算3800円
脚本・演出:ハセガワアユム
出演:小沢道成/斉藤マッチュ/青木友哉/古屋敷悠/佐々木なふみ/古市海見子/小園茉奈/鳴海由莉/真嶋一歌/久保亜津子/森久憲生/岡山誠/山崎カズユキ/宮田智佳/菅山望/大塚尚吾/ししどともこ/友松栄/佐野功/成川知也/小野塚老
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2015年03月28日

ひげ太夫「蝶ゲンボウ」

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稲妻のように飛び、温泉のように癒やすという

蝶ゲンボウ。
姿は鳥。羽ばたき一つで、吉と凶を操るというが
その正体は謎である。
ここは赤道直下のボルワラン港。
城から財宝を盗んで来た男が降り立った。
近寄る法師、「その荷物を、ここに置いてゆけ!」
「そう怖い顔するな。もわりもわり」
「うっ、体から湯気を出しおった。シャーーーッ!」
突然、法師が歯をむいて飛びあがる。
湯気を出す男は、ばばばっとマンゴーをむき始める。
決闘、湯けむり、熱帯雨林!
今宵、男たちの熱さで星空ものぼせ上がる!
(チラシより)

 細かいことはともかく、いつものひげ太夫だった。四段タワーも無事完成。物語はだいたい同じ勧善懲悪(でも悪役も根っからの悪じゃないなど)。ちょうど子供の団体が観に来ていて、その反応を眺めるのが楽しかった。

 この劇団はいつもエンディングにジャッキーチェンの映画のようなNG場面をやるんだけど、あれはどうなんだろう。シーンごとに暗転で拍手してしまう人が多いので、暗転しない方がいいように思う。面白いんだけど。

015/03/28-19:00
ひげ太夫「蝶ゲンボウ」
テアトルBONBON/当日精算3600円
作・演出:吉村やよひ
出演:吉村やよひ/成田みわ子/林直子/ともい江梨/山畔奈々/もりちえ/釣遥子/豊田可奈子/石川リサ  他
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アガリスクエンターテイメント「紅白旗合戦」

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国旗と国歌で泥仕合
右も左も分からない
(チラシより)

 「ナイゲン」と同じく高校を舞台とした会議劇。“会議劇”というジャンルがあるのかどうか知らないが、無いのだったらこの劇団が新たに拓いたと言えるだろう。卒業式で国旗と国家をどう扱うかを巡って生徒と教師で対立するのだが、どのキャラもいかにもいそうで良く描かれていた。

 ラスト近くの展開はちょっと無理に大団円を目指し過ぎていた気がするが、それ以外は実に素敵な話。あいつにもこいつにも、そんなあなたが大好きだよと言ってやりたくなる舞台だった。

 国旗国歌法が成立したのは私が社会人になってからのことだが、昭和天皇崩御が高校生の時だった。冬休み明けの学校では集会があり、黙祷をすることになっていたが、私の担任は黙祷するかどうかは自分で決めるようにと言ってくれる人だった。そんなことをふと思い出した。

2015/03/28-14:00
アガリスクエンターテイメント「紅白旗合戦」
サンモールスタジオ/当日清算3000円
脚本・演出:冨坂友
出演:淺越岳人/鹿島ゆきこ/塩原俊之/沈ゆうこ/加藤隆浩/川添美和/菊地奈緒/熊谷有芳/斉藤コータ/津和野諒/野澤太郎/ボス村松/前田友里子
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2015年03月22日

燐光群「クイズ・ショウ」

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もちろん今は、クイズショウの真っ最中です。
まさか質問をお忘れになったのではないでしょうね。
(チラシより)

 前作「8分間」に続き今回も実験的な作品。タイトルの通りクイズ・ショウが手を替え品を替えつつ延々と繰り広げられる。クイズの内容もシチュエーションもなかなか工夫されていて面白かった。しかしそれ以上に、この展開で芝居として成立させられる戯曲と役者の力量には脱帽する。

 呑んだくれとしてはバーを舞台にしたセクションが好み。いい感じの女性とあんな気の利いた会話をしてみたい。最終パートの、不正解だった人がどんどん消滅していくという場面は、まるでクイズが人生や世界であるかのように迫ってくる。

 アフタートークで坂手洋二は“普通の戯曲には飽きてしまった”というようなことを言っていたが、そんな軽い気まぐれでこんなレベルのものを書かれたら、世間の若手はたまらんだろう。

2015/03/22-14:00
燐光群「クイズ・ショウ」
ザ・スズナリ/事前入金3600円
作・演出:坂手洋二
出演:円城寺あや/岡本舞/中山マリ/鴨川てんし/川中健次郎/猪熊恒和/大西孝洋/韓英恵/都築香弥子/杉山英之/武山尚史/松岡洋子/樋尾麻衣子/山村秀勝/宇原智茂/田中結佳/長谷川千紗/秋定史枝/齋藤宏晃/水野伽奈子/根兵さやか/川崎理沙/松井美宣/寺本一樹/池町映菜/加藤素子
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2015年03月21日

アマヤドリ「悪い冗談」

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テーマパークになった、ニッポン。
(チラシより)

 「悪と自由の三部作」の三作目。結局全部観たものの、物語として連続性があるわけではなく、世界観が共通だったのだと思われる。冒頭に出てくる囚人は三部作一作目の「ぬれぎぬ」に出てきた犯人のようだが、繋がりはそのくらいか。

 戦争と東京大空襲の記憶、現代人の意識、隣国との関係、服従の心理、などなどが渾然としたインパクトある舞台だった。台湾と韓国からの役者も交え、ニッポンのようなトウキョウのような、そうではないような世界の物語。ケンケンパのステップを含むダンスはひょっとこ乱舞を思い出させる馴染み深い感覚。

 作品のテーマは分かったような分からないような、と言うことは多分分かってないんだと思うが、イメージが頭の中に叩き込まれて持て余した感じだ。単純に受け止めれば国際関係への問題提起や周りに流される人間心理かもしれないが、もうちょっと尖ったものがありそうな気がする。

 余談だが、私が観た回のアフタートークでゲストとして迎えられたのが、『風俗で働いたら人生変わったwww』の著者である水嶋かおりん氏だった。16歳から風俗業界で働き、現在セックスワーカーの立場から社会活動に取り組んでいるという人。結果的には省かれてしまったようだが、当初はそういう話題も芝居に盛り込む予定だったらしい。それはそれで観てみたいと思う。

2015/03/21-19:00
アマヤドリ「悪い冗談」
東京芸術劇場シアターイースト/当日清算3000円
作・演出:広田淳一
出演:笠井里美/松下仁/渡邉圭介/小角まや/榊菜津美/糸山和則/沼田星麻/中野智恵梨/中村早香/宮崎雄真/足立拓海/石山慶/石本政晶/石井双葉/石井葉月/竹林佑介/廣塚金魚/升味加耀/添野豪/谷畑聡/PANAY PAN JING-YA(台湾)/Kim Dae Heung(韓国)
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オイスターズ「日本語私辞典」

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いつもの朝、いつもの挨拶をして、いつもの人達に会って、いつものように笑って、いつものように寝る。
そうやっていつも当り前にある物や人が突然消えてしまった。…そんなこともいつもある。
それも日常ならば、当り.前に「私」だと思っていた「私」が突然「私」ではなくなってしまう事だってあるだろう。
そうなると失って初めて気づく日常の光景には、さて、誰がいつ気付くのでしょう?
(チラシより)

 演劇というよりライブパフォーマンスのような作品だが、綿密に書かれた脚本があるという点で間違いなく演劇だ。冒頭、舞台上に作られた障子のような紙にあいうえおが順番に筆で書かれる。そしてあいうえおにまつわる不条理な物語が展開される。

 この不条理さは昔懐かしい感覚だった。私が演劇を観るようになった始めの頃はこういう不条理劇がたくさんあったように思う。ただその頃のものに比べると脚本は緻密になっている。そうでなければ残らないのだろう。

 喋れない文字が増えていくというネタは幽遊白書の「禁句」という話を思わせますが、本作ではさらに一捻りされており、セリフを検証するだけでなくボキャブラリーの勝負みたいな楽しみ方もできました。

2015/03/21-14:00
オイスターズ「日本語私辞典」
シアター風姿花伝/当日清算3000円
作・演出:平塚直隆
出演:秋葉由麻/川上珠来/ほしあいめみ/河村梓/寺島久美子/横山更紗/覚前遥/田内康介/高瀬英竹/平塚直隆
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2015年03月14日

桃園会「paradise lost,lost」

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空き地となった団地跡。荒涼とした閉塞と不確かな現実が漂う。不可解な連続殺人事件から6年後の世界。

現代、秋なかば、「うちやまつり」の世界のおよそ6年後。
団地は取り壊され、広大な空き地が広がっている。大型量販店が建設されるということであるが、未だ取り壊し作業が終わらず、目処が立たない。「こやまさんちのにわ」はこの広大な空き地にあって、もはやその所在はわからない。その空き地を見下ろすドライブイン2階の喫茶室で、店を閉めている間にカウンター一面に黄色と黒のペンキで巨大な目玉を落書きされる事件が起こる。店主は動ぜず、とりあえず今日一日は開店して、事情を説明して明日閉めて清掃するという。犯人は何の目的で行為を行ったのか? これは警告なのか? 新たな事件の始まりなのか? 6年前の事件は未解決のまま団地の消滅とともに風化しようとしている。今、工事関係者の間でささやかれる新たな噂は、この空き地に「団地の幽霊」が出るというものだ。
(チラシより)

 「うちやまつり」と連続上演で、同日に通し券で鑑賞。6年後の後日譚ということだが、登場人物はすべて異なる。昔の事件のことも今の噂話も、みなさして真剣に語りはしないが、どことなく意味深な会話劇が展開される。意味深すぎて多分自分には理解できていないと思うが、これもあえて深掘りはしないでおく。

 舞台中央にある柱に「巨大な目玉の落書き」があるが、前半は奥を向いていて客席からは見えない。途中の転換で反転すると、おどろおどろしい目玉が現れる。意図的なアートとしてこれを描くこともありえるだろうが、落書きとしては不気味すぎる。

 現実にこういうことがあったら、やっぱり微妙に気になりながらも気にしてないかのように過ごすことができてしまうだろう。そこから事件が始まりはしないのだ。猟奇的な行為すら飲み込んで日常が形成される、それこそがこの作品で描かれる現代人と現代社会の姿かもしれない。ただそれは暗部と言い切ることもできないだろう。

 あらすじにある「現代社会のこの作品のタイトルにあるparadiseとは何だろうか。団地は消滅しているが、団地のことではあるまい。

2015/03/14-19:00
桃園会「paradise lost,lost」
座・高円寺1/当日精算2500円(通し券5000円)
出演:はたもとようこ/森川万里/長谷川一馬/原綾華/加藤智之/隈本晃俊/田口翼/谷川未佳/二口大学
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桃園会「うちやまつり」

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団地を舞台に、現代社会に生きる人間の暗部と狂おしき本能を照射した新触感の会話劇。

舞台はとある関西地方都市。時は1月3日、4日の両日。
超高層団地にある小さな空き地。荒れ放題のその場所は誰が言うともなく「こやまさんちのにわ」と呼ばれている。そこに集う団地の住人。お互いの名前も知らず職業も分からない。ただ彼らの間をつなぐのは、この場所をめぐるたわいもない噂話。団地内で今夏起きた三件の殺人事件は未だ解決をしていない。登場する住人達は皆、死の影とセックスの匂いをはらんでいる。現実感覚を欠く主人公の青年は殺人犯に疑われるうちに、自分が犯人かどうか分からなくなっていく。
建物の影となって昼なお暗い「こやまさんちのにわ」で繰り広げられる荒涼とした現代人の精神風景、人間性の暗部を深く静かに見つめた物語。
(チラシより)

 現実の事件をモチーフにしているが、その点にリアリティを求める作品ではない。現実の日常会話であんなに赤裸々に心のうちを語る人はそうそういない。連続殺人事件が起こった団地の中にある空き地。犯人と疑われた青年は有罪とはならずに釈放され、事件は未解決。そんな状態ですれ違う住民たちが交わす言葉はどんなものになるだろう。

 ここで象徴的に表現されている“現代人の人間性”とは、異常な行為よりむしろ殺人事件すら日常に飲み込んでしまう正常化心理のように感じる。それぞれ色々な事情と気持ちを抱えていながら、穏便に生活を続けていくのだ。

 わかりやすい起承転結もなく淡々と会話が続くので、観ているうちに意識がぼんやりしてくる。むしろそれはリアルな日常会話への反応かもしれない。ふと気づくと人が入れ替わって別の会話になっている。何やら明確には語られない真相とか裏の意味とかがありそうでなさそうで、多分じっくり解読すれば読めてくるのだろうけれど、そこまでするのも不自然だ。私としてはあえて深掘りせず、もやっとした違和感も含めてぼんやりと受け止めたい。

2015/03/14-14:00
桃園会「うちやまつり」
座・高円寺1/当日精算2500円(通し券5000円)
作:深津篤史
演出:空ノ驛舎
出演:はたもとようこ/森川万里/橋本健司/原綾華/阪田愛子/石塚博章/大本淳/大熊ねこ/小中太/橋本浩明/藤田かもめ/松㟢佑一/森本研典
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2015年03月08日

オパンポン創造社「オパンポン★ナイトvol.3〜曖昧模糊〜」

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気づいた時にはもう遅い、この言葉だけで僕の人生は語りきれる。
(チラシより)

 主に大阪で活動するオパンポン創造社。主催で脚本と演出を務める野村有志は限りなく全裸に近い半裸のスタイルが定番になっており、ビジュアル的には完全にふざけた下ネタ団体にしか見えない。正直あまり好みのスタイルではないと思っていたため、王子小劇場で公演(私は支援会員なので無料で観られる)と聞いても食指が動きませんでした。

 が、直前に縁があって(ありていに言うと西川さやかにTwitterで誘われたので)足を運んでみたところ、意外にちゃんとした芝居になっていたので驚いた。冒頭から殿村ゆたかが快調に飛ばす。ダメなおっさんを演じさせたらピカイチだろう。短編4つかと思ったら実は全体で繋がっているなど、構成もきっちり作り込まれていた。

 東京にも同じような作風の劇団があるだろうと思うが、しかし挙げてみようとしてもあまり出てこない。大阪風の笑いというよりオリジナルな作風と言っていいだろう。なかなかメジャーにはなりにくいだろうが、ぜひ今後も頑張ってほしいと思う。

2015/03/08-13:00
オパンポン創造社「オパンポン☆ナイト vol.3 曖昧模糊」
王子小劇場/当日精算3000円
脚本・演出:野村有志
出演:野村有志/池下敦子/浅雛拓/西川さやか/ジョニー大塚/殿村ゆたか
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2015年03月07日

タテヨコ企画「土に寝ころぶ女たち」

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誰だって一度ぐらい考えたことがあるだろう。何をやっても無駄なのだと。でもだからって、本当に何もしないのは勇気のいることだ。あがいて、もがいて、何も生まれなかったとしても、そこには何もなかったわけじゃない。
すべてが遺跡になるわけじゃない。
あったのだ。確かに。ここに。
(チラシより)

 “さる農法の実践者”を慕う主婦たちが集う農園の集会場のような場所が舞台。入れ替わり立ち代わりメンバーやメンバーじゃない人がやってくる。遠くの都会からたまに来て趣味的に農業をやっている人や、近所のお寺から手伝いに来ている若いお坊さんたちや、新しく来た人、やめていく人、続けている人。

 人が集まるところには暖かさと共にいざこざも生まれる。昔はひどい目に遭わされたといった話も出てくる。初々しい若者カップルもいれば、離婚の危機を迎えている夫婦も。しかし全体を通じて大きなストーリーがあるというわけではなく、淡々と(時にバタバタと)時が流れていく。

 中心人物である「堀内さん」が来るはずなのにいつまでも現れないあたりは、ゴドーを意識したのでしょうか。起承転結を追いかけるのではなく、その空間を味わうタイプの芝居でした。ぼんやりと、時にハラハラしながら堪能しました。

2015/03/07-19:00
タテヨコ企画「土に寝ころぶ女たち」
SPACE雑遊/当日精算3200円
作・演出:横田修
出演:青木シシャモ/市橋朝子/舘智子/西山竜一/久行しのぶ/向原徹/遊佐絵里/井上太/岩倉真彩/北村延子/小林至/代田正彦/武田祐美子/田代尚子/林大樹/原口健太郎/森下なる美
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ラズカルズ「トップノート ミドルノート ラストノート」

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香水は時間の経過により、香りが変化するように作られる。肌につけた瞬間からニュアンスは変化を始め、汗や体臭と混じり合うことで様々な表情が生まれるのだ。
その女は調香師だった。殺害現場に物証は無く、香水のレシピの記されたノートが消えており、匂いだけが残されていた。
事件の担当となったのは、裏の世界と癒着のある悪徳刑事。容疑者として浮上したのは、調香師と密接な関係にあった暴力団幹部。
事件を嗅ぎ回る野心的なルポライターが、困難の果てに掴んだ真実とは。そして「輝きの国」とは一体。
ラズカルズ渾身のサスペンスコメディをどうぞご期待ください。
(チラシより)

 匂いを舞台上の演出で使うのはかなり困難だと思われるが、あえてそれをテーマにしたのは面白い。しかし期待したほどその設定は生かされていなかったように想う。まあ、薬としての側面を使ったのだろうけど、せっかく香水とするならもっと華やかな雰囲気が出せればよかったと思う。

 悪徳刑事、暴力団、宗教団体、ルポライターと、いかにも怪しげな面々が入り乱れて展開するサスペンスだが、説明セリフが多すぎた。そして一番残念なのはサスペンス面の結末が首を傾げるようなものだった点。

 コメディとしてはまあまあだった。しかしサスペンスとのコントラストがやや不明瞭だったため、どっちつかずな作品になってしまったように感じた。

2015/03/07-14:00
ラズカルズ「トップノート ミドルノート ラストノート」
サンモールスタジオ/当日清算3500円
脚本・演出:松本たけひろ
出演:小豆畑雅一/川崎裕也/熊坂貢児/酒井俊介/佐藤宙輝/高岡純/田村舞/手塚けだま/林真也/前田剛/村上和彦/山田健太郎/与古田千晃
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2015年02月28日

MONO「ぶた草の庭」

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みんなもうすぐ死んじゃうね。
人は希望を抱くから苦しむの?
絶望の中、それえもこれは喜劇なのだ。
(チラシより)

※タイトルとチラシのコピーだけでは内容がほとんどわからないため、以下はネタばれに相当するかもしれません。ただ状況のほとんどは序盤で明らかになります。

 とある伝染病の患者が隔離されている島。有効な治療法はまだない。患者は島から出られず、定期的に物資を届けに来る係員とガラス越しに会話することが外界との唯一の接点となっている。患者は体のどこかに赤い斑点があり、それが紫や黒に変わると死ぬらしい。ある日、島に新しい患者が連れられてくる…

 不治の病への感染、突然奪われる幸福、無責任な政府の対応、世間の差別や恐怖心との戦いなど、描かれている情景はひたすら悲しく理不尽でつらいことばかりだ。しかしそれを喜劇にしてしまえるのだから、MONOと土田英生の手腕は素晴らしい。小気味良い会話劇を通じて、言うべきことと言わなくていいこと、受け入れるしかないことと受け入れてはいけないことなどが丁寧に描かれる。

 近年もハンセン病患者への差別が問題になったことを思うと、実際にこういう病気が発生したらやはりここで描かれたようなことは起こるだろう。エボラやSAASが流行したことも記憶に新しく、決して他人事ではない。また、病気だけでなく移民への差別も表現されており、これもリアルな印象だ。

 とはいえ、実際の出来事との単純な対応は注意深く避けられており、露骨に“社会派”な作品ではない。極めてリアルな感触だが純粋にフィクションで、このあたりのバランス感覚も優れていると思う。

 ゲラゲラ笑えるような話ではないが、「それでもこれは喜劇なのだ」。

2015/02/28-15:00
MONO「ぶた草の庭」
ザ・スズナリ/事前入金4200円
作・演出:土田英生
出演:水沼健/奥村泰彦/尾方宣久/金替康博/土田英生/山本麻貴/もたい陽子/高阪勝之/高橋明日香/松原由希子
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2015年02月14日

鵺的「丘の上、ただひとつの家」

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おかあさん
育てる気がないなら
なぜわたしたちを産んだのですか
家族を知らないわたしたちは
ぼんやりとした幸せと不幸をかかえたまま
たださまよいつづけるしかないのですか

わたしの母は妻子ある父とつきあって自分を産み、後に別の男性と結婚して弟たちを産んだ。なので父方と母方に兄弟がある。母はわたしを祖母のもとに置き、戸籍の上では自分の弟ということにして嫁いだ。現在、高木姓を名乗っているのはひとりきりである。

母や母方の弟たちとは交流がある。彼らは「兄貴はかわいそうだ」と言う。自分がかわいそうかどうかはわからないが、家庭自体が崩壊、もしくはないということが世間的には同情の対象であることはわかる。が、はじめからそれが普通だったのだから、自分にとっては何が欠けているわけでもない。この感覚はじっさいにそういう立場になってみなければわからないだろう。

父とはほとんど交流がなく、二〇代の終わりに電話でいちど話したきりだ。電話口の父は人間的でユーモアも解する男性のようだった。それ以上のことはわからない。

祖母が亡くなったとき、父に会えと忠告してくれる人があった。だがけっきょく自分は会わなかった。家族がないのは哀れなことかもしれないが、しがらみのない自由がある。自分は自由を取った。

もしも会いに行っていたらどうなっていただろう。向こうのきょうだいたちはどんな顔をしただろうか。どんな顔をして会うのか、どんな顔をして迎えるのか。何を話すのか、話さないのか。家族を求める人びとの姿に迫ってみたい。自分のしなかったことをする人びとを書いてみたいと思う。
(チラシより)

 一人のひどい女性を中心に、彼女が産んだ子供たちの苦しみや過去の陰惨な出来事が描かれる。テーマは虐待とか育児放棄かと思いきや、そんな普通のレベルではないドロドロにすさんだある家族の物語。いや、もはや家族と呼べるかどうかすら怪しい。

 一般的な家族ドラマは自分と重ねづらいのであまり好きではないが、この作品は極端すぎるため逆にエンターテイメントと割りきって観ることができた。そういう意味では面白かった。ただ、多少なりとも家庭に問題を抱えてる人や、子供を中絶したことのある女性には、きつい話かもしれない。

 上記のように作者自身の境遇を題材にしているようではあるが、作者も私も男であって子供を産むことはない。自分の子供を作ることはあっても、お腹を痛めて産む女性とはどうしても感覚が違うだろう。女性がこの話をどう観るか、聞いてみたいと思った。

2015/02/14-19:30
鵺的「丘の上、ただひとつの家」
SPACE雑遊/当日精算3200円
脚本・演出:高木登
出演:井上幸太郎/奥野亮子/宍戸香那恵/高橋恭子/生見司織/平山寛人/古屋敷悠/安元遊香
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風琴工房「penalty killing」

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 月光市のアイスホッケーチーム「月光アイスブレーカーズ」のメンバー達の様々な葛藤と氷上の熱い試合を描く。実在のプロアイスホッケーチームである日光アイスバックスを描いた『アイスタイム』という本からインスパイアされて書かれたとのことなので、近いうちに読んでみようと思います。

 物語はそんなに特別なものではなく、あるチームに所属する選手たちの人生とか友情とかライバル意識とか勝利への希望とか家族のこととか、もろもろの想いを乗せて燃える男たちがリンクで火花を散らすという感じ。こう書くとありがちなスポ根もののようですが、そこはやはり風琴工房の舞台です。どのキャラクターも実にしっかり描きこまれ、それぞれに感情移入してしまい、試合シーンは燃えます。

 対面客席を組んだザ・スズナリの舞台上に丸いリンク。実際のアイスホッケーで使われるリンクの広さに比べたら極めてこじんまりしたスペースなので、どうやってこんな場所でホッケーを表現するんだろうと思いましたが、流石の演出手腕でなんらスケールを小さく感じさせることなく、激しい試合が表現されていました。

 アイスホッケーは米国ではかなりメジャーなスポーツらしいのですが、日本ではまだ人気も知名度も低いのが実情です。私も「氷上の格闘技」という異名くらいは聞いたことがありますが、ルールもそんなに詳しくは知りませんでした。最初に用語説明がありましたが、大半は初耳でした。しかしこの舞台を観て急に関心が湧いてきました。一度くらいは観戦に行ってみたいと思います。

2015/02/14-14:00
風琴工房「penalty killing」
ザ・スズナリ/事前振込3800円
作・演出:詩森ろば
出演:粟野史浩/森下亮/筒井俊作/浅倉洋介/大石憲/岡本篤/金丸慎太郎/金 成均/久保雄司/後藤剛範/酒巻誉洋/佐野功/杉木隆幸/野田裕貴/三原一太/五十嵐結也/岡本陽介/草苅奨悟
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