2014年07月29日

赤星マサノリ×坂口修一「すっぴん」

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ホンなし!演出なし!スタッフもなし!
舞台には役者が二人だけ!
音響や照明操作も演技中に二人でやります!
赤星マサノリと坂口修一がすべてをさらけ出して挑む即興芝居。
(チラシより)

 関西で勢いのある役者2人による即興芝居。観客からもらったお題を幾つか並べ、それを織り込んだ芝居をその場で作って演じるというもの。いわゆるインプロ芝居というものですね。

 当然のことながら、きちんと練られた脚本のような完成度はなくて、ほぼ無理矢理。戯曲のある芝居とは別物のライブイベントと捉えるべき企画だ。そう割り切った上で参加すれば面白い。

2014/07/29-20:00
赤星マサノリ×坂口修一「すっぴん」
インディペンデントシアターファースト/当日清算2000円
出演:赤星マサノリ/坂口修一
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2013年11月03日

伊藤えん魔プロデュース「チェス」

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伝説が駒を支配する戦場。
何のために戦っているのか、彼らは知らない。
「チェス」達が続ける戦争は栄誉なのか、不毛なる殺し合いなのか?
ゲーム、アクション、コメディ、サスペンス、ミステリー、ラブロマンス。
あらゆる世界観をぶちこみ、脳内を引っかき回す。
心臓に突き刺さるハードボイルド時空エンターテイメント、降臨。
(チラシより)

 久しぶりに大阪で観劇した。上記の言葉通り、ゲーム、アクション、コメディ、サスペンス、ミステリー、ラブロマンス、あらゆる世界観をぶちこまれて、脳内が引っかき回された。いやもう、かっこいいったらない。ずっとのめり込んで観てました。

 チェスの駒たちは、もちろん戦いの目的など知らずに戦い続けているわけで、そういう世界観の物語は他にもあったような気がします。大抵は最後に世界の真相が明かされるもので、本作もある程度の種明かしがありますが、しかし作品の面白さは謎解きによるものではありませんでした。

 もっとシンプルに、登場人物が魅力的なのです。主人公もさることながら、大なり小なりゆがんでねじくれた性格の敵も実に魅力的で、全員が愛しくなってきました。個人的に一番好きなのはナイトメアという、夢を操る魔女。演じていたのは天野美帆さんという方ですが、どうやら初めて拝見した女優さんでした。大阪に帰りたい。

2013/11/03-18:00
伊藤えん魔プロデュース「チェス」
ABCホール/当日清算3800円
脚本・演出:伊藤えん魔
出演:山浦徹/行澤孝/坂口修一/宮都謹次/鈴木洋平/田渕法明/大塚宣幸/末満健一/伊藤えん魔/美津乃あわ/橋爪未萠里/天野美帆/田嶋杏子/長光麻紀子/西原希蓉美/畠中愛/村下裕恵
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2013年07月30日

林英世ひとり語り「中島らも短編集」

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らもさんは近くにいた。
大阪のお芝居の世界ではお隣さんだった。
らもさんはいたのだ。
何でもないような風情で。
何か得体のしれない深い穴のように。

柔らかそうに尖ってて、
無意味そうに意味深で、
軽そうに重い、そんな風情で。

小説家中島らもに会いに行く。
彼が生み出した世界に潜って、
様々に形を変えて偏在する彼を集める。

そんな作業じゃないかな…
中島らも作品を読むって。
(チラシより)

 最近は戯曲を朗読する公演がよくありますが、これは小説を朗読するもの。朗読というのは上手い人がやると本当に芸術的だ。今回読まれたのは「ドリアンを待ちながら」「邪眼」の二編。

 終始のんびりした話でコミカルな前者と、ややホラーじみた雰囲気のただよう後者、いずれも秀作だが林さんの朗読芸でますます引き立てられていた。

 会場となった「ロックカフェUSA★GI」はミナミのバー。あまり長居はしませんでしたが良い幹事の店でした。ウイスキーナイトということでお酒をいただきながらの観劇(というか拝聴)。実際はウイスキーじゃなくてラムだったけど。

2013/07/30-21:00
林英世ひとり語り「中島らも短篇集」ウイスキーナイト
ロックカフェUSA★GI/当日精算2800円
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2013年07月29日

トリコ・Aプロデュース「つきのないよる」

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男はなぜ、殺されたのか?
彼女はなぜ、殺したのか?


さくら@sakura
「買い物に行ってくる」と出て行ったきり、母はもう十年帰って来ない。
oto_sanがリツイート

さくら@sakura
私は今日も三股をかけている。と書くと聞こえは悪いが、要はたまたまお付き合いの時期が重なってしまっただけ。べつにどれも惜しいというわけじゃない。心は決まってる、でも別れるの、かわいそうで。だからこないだ三人が鉢合わせした時は心臓が止まるかと思った。

さくら@sakura
私、誰もかなしませたくない(あの時はお父さんがうまくごまかしてくれてほんと助かった)。そういやお母さん言ってたな。お父さんその場しのぎだけは若い頃から得意だったって。でもこの家追い出されたらそうも言ってられなくなるなあ。そうなんです。もうすぐ私と父と兄は、この家を追い出されます。
oni_sanがリツイート
(チラシより)

 崩壊した家族の物語だが、表面的には崩壊していないように見える。娘は結婚詐欺師というより虚言癖のある性悪女という印象。彼女の取り巻きのようになっている男たちと、それを眺める家政婦。主役の丹下真寿美の周りを二口大学やごまのはえといったベテラン個性派俳優が囲んで光らせる構図。

 雰囲気は嫌いではないが、物語としてはどうもわかったようなわからないような。そもそも理解する対象なのか味わう対象なのか判然としなかった。

2013/07/29-19:30
トリコ・Aプロデュース「つきのないよる」
インディペンデントシアター1st/当日精算2800円
作・演出:山口茜
音楽:新井洋平
演奏:五月エコ/新井洋平
出演:村木よし子/二口大学/保/小熊ヒデジ/はしぐちしん/ごまのはえ/小沢道成/丹下真寿美
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ピースピット「RIP」

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さすれば汝、現実と虚妄の境界を暴け。

真実と記憶されているものが真実とは限らない。
偽りの記憶もまた、意識の混濁の中では真実を帯びるだろう。
虚ろな世界にあって、なにが現実でなにが虚妄なのか。
それを解き明かさずして、僕は、安らかに眠れるのかーーー?
(チラシより)

 妻を殺された男が犯人を拉致し、強力な自白剤である「RIP」を投与して事件の真相を語らせようとする。しかし犯人から語られることは、自分の過去と重なっていた‥‥。

 久しぶりに大阪で観劇したピースピットは相変わらずスタイリッシュでかっこいい。ただ物語としてはそこそこ使い古されたテーマで、一言でまとめれば愛情が行き過ぎて狂気に達してしまった人の話。終盤で明らかになる真相もそれほど意外なものではない。

 子供鉅人の益山寛司が客演。これはすごかった。この人はダンサーであり、役者によるダンスシーンの中でも身体能力が際立っていると感じられた。加えて妖艶とも言えるルックスは貴重な人材だ。他劇団に出演しているのは初めて観たが、もっと表に出ていい人物だと思う。

2013/07/29-14:00
ピースピット「RIP」
HEP HALL/前売り券4200円
作・演出:末満健一
振付:大熊隆太郎
出演:山浦徹/益山寛司/中川浩三/中村真利亜/橋爪未萠里/杉森大祐/大熊隆太郎/末満健一
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2010年09月19日

劇団衛星「ブレヒトだよ!」

burehitodayo.jpg

経済VS演劇
笑いたければ笑え!!
劇団とお金にまつわる悲喜劇
(チラシより)

 劇団衛星の団員は何人か知り合いがいるのですが、公演は初観劇です。やや古典的な(いかにも演劇的な)演出で物語を丁寧に描いており、京都の劇団としてはオーソドックスな印象を受けました。

 銀行から融資を受けようとするある劇団の主催と、銀行強盗のプランを練る別の劇団の主催。そもそもタイトルからして思い切り演劇を前面に出しているように、演劇そのものが主題になっている作品です。下手な劇団が劇中劇をすると内輪受けに近くなりますが、今回は幸いそういうことはありませんでした。

 会場は同じ日に観たユニット美人とおなじくシアターKAIKAで、この公演がこけら落としになります。キャパ60人程度のこじんまりした空間で、上階のギャラリーと合わせて居心地は良好。こういう場所が身近にあると楽しいので、入れ替わるように自分が関西を離れることになったのが残念です。

2010/09/19-18:00
劇団衛星「ブレヒトだよ!」
シアターKAIKA/当日券2300円
作・演出:蓮行
出演:ファックジャパン/黒木陽子/紙本明子/蓮行/首藤慎二/浅井浩介/石田美希 他日替わりゲスト
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ユニット美人「黒い紙と3つの箱」

のんきに生きる三十路女の前に突如あらわれた金銀鉛の3つの箱。
どれを選べば生還できるの?
なんで3つなの?
どうして選ばなきゃいけないの?

教えて、シェイクスピア先生!

ユニット美人が古典に挑戦!?さまざまな岐路に立つひとたちの背中をたたいたりもんだり好きって書いたりつねったりする小作品集です。いつもより120%知的になって、がんばります!
(サイトより)

 ユニット美人は長久手で開催された演劇博覧会カラフル3で観たきりで、気になりつつも観る機会を逃していました。結局大阪を離れた後、今になってやっと本公演が観られました。

 半ばオムニバス形式のコント集なので、物語に対するこれといった感想はありませんが、単純に楽しめました。いわゆる女芸人的な痛さは(無くはないが)少なく、スマートにまとまっていました。結成から5年以上ですが、まだほとんど他に例がないタイプのユニットでしょう。

 劇団衛星から女優二人がスピンオフして作ったユニットで、今回は本体の公演と同じ日程でしたから、二人は他の役者の倍くらい覚えて練習しなくてはならなかったと思います。まったくお疲れ様です。

2010/09/19-14:00
ユニット美人「黒い紙と3つの箱」
シアターKAIKA/当日券1500円
作・演出・振り付け・出演:ユニット美人(黒木陽子/紙本明子)
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2010年09月18日

中崎町ミュージアムスクエア「幸福論」

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裏山の中腹にある防空壕から、海が見える。
山ノ下の海端からは、墓が見える。
「生きる意味が分からない。」「分からない。」
「馬鹿高い声で愛を叫んでみようか。」「静かな音!静かな音が耳について、狂いそうなんだ。」
(サイトより)

 石原正一ショーの石原正一が、毎回一人のゲスト出演者と外部脚本で創る中崎町ミュージアムスクエアの3回目。今回は伏兵コードの稲田真里が脚本を書き、デス電所の豊田真吾が出演。

 石原正一も豊田真吾も、どちらかと言えば明るくはじけたイメージの方が強い。それに対して稲田真里の描く世界はひたすら暗く陰鬱な印象だ。両者が融合した舞台はさぞ味のあるものになると予想されたが、実際そのとおりだった。

 ここに出てくる二人はどちらも悶々とした生活を送り、時々爆発しそうになっている。どうしたらそこから抜け出せるかも判らない。そんな状態を解決するというより折り合いをつけるような手段に出る。

 気分としてはなんとなく共感できるけど、今の自分と重ねられるわけではない。その微妙な距離感を噛み締めながら観劇しました。

2010/09/18-20:00
中崎町ミュージアムスクエア「幸福論」
コモンカフェ/前売券2500円
脚本:稲田真理
演出:石原正一
出演:豊田真吾/石原正一
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2010年07月29日

空晴「ボクのサンキュウ」

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新入社員寮に、
ある日突然
赤ちゃんがやってきた!?
問題を抱えた男達の男達による、
育児がはじまる…
(チラシより)

 親子や家族の愛情を、独身男性の集団の姿から描いた作品。ネタバレになるので詳細は書きませんが、登場人物一人一人がそれぞれの親子や家族の課題を抱えており、この分野のテーマがてんこ盛り状態。個人的にも色々と他人事ではありません(^^;;

 積極的に動いているのにちっとも周りから覚えてもらえない山田を演じた北村さんがいい演技をしていました。

2010/07/29-19:30
空晴「ボクのサンキュウ」
アイホール/当日券3300円
作・演出:岡部尚子
出演:上瀧昇一郎/平本光司/小池裕之/上田康人/国木田かっぱ/や乃えいじ/北村守/福重友/太田清伸
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2010年07月19日

sunday「サンプリングデイ」

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およそ100人のある一日を5人の役者がサンプリング。
そして、ある一日を超えて、永遠とか、
そういうものに少しでも近づこうとする話。
(チラシより)

 普通の芝居のようにひとつの物語を語るのではなく、ある一日に暮らす膨大な数の人々の生活の断片を切り取って、繋げた作品。

 観賞するのにもある程度の根性を必要とする。一貫した物語はないが伏線は張りまくりなので、終わってどっと疲れた気がした。作品としてどう評価するかは難しい。面白いとか楽しいというのはちょっと違う気がするが、インパクトはあった。

 大きな道路の信号待ちで無数の歩行者が並んでいて、その人達がみんなそれぞれの思考や生活がある、それはすごいことなんだというメッセージは心に残った。劇的な物語などなくても人生はある。

2010/07/19-18:00
sunday「サンプリングデイ」
精華小劇場/当日券3500円
作・演出:ウォーリー木下
出演:赤星マサノリ/平林之英/宮川サキ/井田武志/安元美帆子
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2010年07月10日

中崎町ミュージアムスクエア「グレープフルーツ・ムーン」

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「耳もとで、名古屋から那覇ですってささやかれてみたいねん」「だれにィ?」「半井さん」「なからいさん?」「さっき7時のニュースで言うてた。今夜はグレープフルーツ・ムーンでしょう、きっと月と星ひとつって」
(チラシより)

 二人芝居の楽屋で、役者二人がぐだぐだと喋っている。芝居の話から女の話、人生観まで、あれこれ、長々と脈絡もなく。それだけの短編ですが、味のある小品になっていました。

 前半はややエンジンがかかっていない感じで眠くなりましたが、途中で役者が乗り始めると吸い込まれます。舞台と客席が本当に近いので、内容によっては客席から突っ込みをいれたくなるほどでした。

2010/07/10-20:00
中崎町ミュージアムスクエア「グレープフルーツ・ムーン」
コモンカフェ/当日券2800円(ワンドリンク)
作:蟷螂襲
演出:石原正一
出演:久保田浩/石原正一
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劇団ジャブジャブサーキット「蒼の組曲」

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向こう側は、
どう?
(チラシより)

 カラオケボックスを改装したアパート。独特なルールで生活する住人たちは皆、何かから隠れるような事情を抱えている。そんな所に突然現れた男は、自分が未来人だと言う‥‥

 設定はSFだけど終始SFらしくない雰囲気で、それが却って良い効果を出していました。21世紀に入って10年も経って、昔のSFらしいSFがもはや逆に時代遅れになったのかもしれません。

 あとからHPの説明を読んだら、作品の舞台そのものが近未来という設定だったようです。それは分かりませんでした。

2010/07/10-14:00
劇団ジャブジャブサーキット「蒼の組曲」
ウイングフィールド/前売券2800円
作・演出:はせひろいち
出演:はしぐちしん/コヤマアキヒロ/岡浩之/栗木己義/平野行俊/荘加真美/咲田とばこ/小関道代/中杉真弓/なかさこあきこ/くまのてつこ/はせひろいち


劇団公式サイトの紹介文
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2010年07月04日

トリコ・A「せりふのないガラスの動物園」

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「もしかして彼はいま、私に恋をしているのではないだろうか」
テネシー・ウィリアムス「ガラスの動物園」の登場人物、ローラをモチーフにした恋の物語。
一方通行の恋。叶うはずが無いのに、叶うかもしれないと、一瞬、心を踊らせてしまった私。
母のように美しい過去も無く、弟のように見つめるべく将来も無い。
けれど私は今、恋をしている。
恋をすると、時間はとまる。だからひろがっていく、

私の美しい、まぼろし。
(チラシより)

 せりふなしとの触れ込みでしたが後半はせりふありまくりでした。全体が不条理な演出なのでたいした問題ではないかもしれませんが、「物語を全部せりふ抜きで描く」というのは難しい挑戦だと思って期待していたので、できれば本当にせりふなしでやってほしかった。

 せりふの件を除けば、あとはもう何が何だか分からないような演出。少しずつ少しずつ状況は飲み込めてくるけれど、物語を追うことが意味をなすのかどうか。ただ断片的な情景を眺めているだけでも充分に楽しめる作品でした。

 四宮章吾の不気味っぷりと、ナース服を着ていた女優の切れが良かったです。

2010/07/04-17:00
トリコ・A「せりふのないガラスの動物園」
アトリエ劇研/当日券2800円
出演:二口大学/松本芽紅見/岩田由紀/大木湖南/四宮章吾
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2010年07月03日

突劇金魚「幼虫主人の庭」

youchuushujin.jpg

「なついちゃ、ダメ。」
ハローハロー
ぼくの緑の庭がついてる、
白い新居に若い夫婦が引っ越してきた。
ふたりはメロメロテレテレで、
でも、今日初めて知った。
お互いの好み、きょうだいの数、
親の名前、すきなうた。
電撃的な夜。
彼は兄と犬を連れてきて、
彼女は兄とたくさんの妹を連れてきた。
紹介してる紹介してる。
はじめて今、はじめまして。
ぼくとぼくの幼虫は、庭で笑って見てる。
くすくすくす
ふたつの家族をドキドキしながら見てる。
くすくすくす
(チラシより)

 庭のある新居に越してきた夫婦の話ですが、妻も夫もゆるやかにおかしい。それ以上にかれらのきょうだい達がおかしい。そして庭に住んでいる何かの幼虫が存在するだけでおかしい。

 つくづくサリngROCKの発想はすごいと思う。ネタバレを避けるため多くは書きませんが、人間と人間じゃないものが穏やかにつながって、その境界線はあいまいです。

 しかしアフタートークでA級MissingLinkの土橋さんが指摘していたように、結婚とか夫婦というものの本質を突いた表現になっていたと思います。これを何も意図せず作ったのなら、やっぱりサリngROCKは天才だなと思います。

 普通じゃない家庭の幸せな姿なので、私のようなタイプにとっても優しい話です。

2010/07/03-19:30
突劇金魚「幼虫主人の庭」
シアトリカル應典院/当日券2800円
作・演出:サリngROCK
出演:上田展壽/蔵本真見/サリngROCK/片岡百萬両/河口仁/山田将之/一瀬尚代/河上由佳/重田恵/高島奈々/かじはらみか
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2010年06月20日

リリパットアーミーII「罪と、罪なき罪」

tumitotuminakitumi.jpg

 (前略)
明治13年。
開国以降、十数年が経ち、
人々が新しい時代の地に足を付け始めた頃。
 (中略)
そんな時、日本の外交を根底から覆す大事件が起きる。
ロシアの皇太子が日本の巡査に切りつけられて、
怪我をしたのである。
下手をしたら戦争になりかねない…
自由な風潮は一変する。
 (後略)
(チラシより/全文は続きに)

 1891年(明治24年)に起きた大津事件を題材にした作品ですが、史実をかなり脚色しています。正直言ってその脚色が安直すぎて好きになれませんでした。この事件は史実そのままでも描き方次第で相当にドラマチックになるものです。

 エンターテイメントとしてはさすがに歴史ある劇団で、盛り上げるツボを押さえてるなあと思える出来栄えでした。

2010/06/19-15:00
リリパットアーミーII「罪と、罪なき罪」
ABCホール/前売券4500円
作・演出:わかぎゑふ
出演:コング桑田/野田晋市/千田訓子/上田宏/谷川未佳/祖父江千夏/わかぎゑふ/粟根まこと/八代進一/茂山宗彦/曽我廼家八十吉/柊巴/美津乃あわ/森崎正弘/や乃えいじ/浅野彰一/ほか

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2010年06月19日

PM/飛ぶ教室「ぞわぞわ 泣きに行くよ、海へ──

zowazowanakini.jpg

もう若いこともない
あたしらやったのに

また
どっちかのさびしさが
どっちかにだけ
重かったりしたんやね

さよならも言えんぐらい
どんよりと
あんたは遠い
ひとになる
(チラシより)

 閉店するため片づけ終わった海辺のバーを舞台に、男と女の昔話、ちょっとした事件が起こり、出会いと別れがあって‥‥まあそんな話が静かに綴られていく。終わっていく淋しさが中心になっており、ほぼ全体が「過去を振り返る」ことで成り立っている。

 終わりの淋しさを描くというのはよくあるパターンだが、その先にある未来への希望観たいので飾られる場合が多いだろう。この作品もそういうセリフがなくもないが、あまり重要ではない。淋しさそのものがちゃんと中心から外れずに描かれていたと思う。

 私には幸か不幸か重ねられる経験もほとんどないので、どれだけこの舞台の味が理解できたか定かではないが。

2010/06/19-18:00
PM/飛ぶ教室「ぞわぞわ 泣きに行くよ、海へ──」
アイホール/当日券3500円
作・演出:蟷螂襲
出演:福井玲子/山藤貴子/白井哲也/北沢洋/牧野エミ/蟷螂襲
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2010年06月16日

てらりすと「人デナシノ唄」

hitodenasi.jpg

それは、ある畸形の男の復習に満ちた物語。
(チラシより)

 二重胎児として生まれて切り離された兄妹。醜い兄は幽閉され、美しい妹は女優になった。二人の間には愛と憎しみが‥‥。という感じの物語ですが、「妄想ミュージカル」というカテゴリー名を創出しているように、普通の演劇とはちょっと異なるライブパフォーマンスでした。

 会場も梅田シャングリラというライブハウスであり、チラシの雰囲気も芝居っぽくなかったのであまり関心も無かったのですが、新良エツ子を先日の柿喰う客公演で観てこれは面白そうだと思って行くことにしました。

 生演奏をバックに新良エツ子が歌って踊って物語を紡いでいくスタイル。とーっても芸達者な人です。音楽を担当するのはデス電所の和田俊輔ですから、絢爛豪華な演出です。ゲストの伊藤えん魔もまた芸達者という概念を実体化させたようなキャラなので、大盛り上がりとなりました。

 考えてみたらそのそも舞台演劇はライブパフォーマンスなのだから、こういうスタイルももっと増えていいと思います。

2010/06/16-19:30
てらりすと「人デナシノ唄」
梅田シャングリラ/当日券3500円
出演:新良エツ子/和田俊輔
スペシャルゲスト:伊藤えん魔
オープニングアクト:teamバキューム
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2010年06月13日

劇団925「福喜多さんちの三兄弟2」

fukukitasanchi.jpg

昨年の8月、福喜多家に突然現れた女性よう子さん。
不在がちな父の再婚相手として一緒に暮らすことになった三兄弟。
同居は無理だという事で意見は一致していた三兄弟と果たしてうまく暮らしているのか?
待望のシリーズ第2弾!福喜多家の梅雨の一日の物語。癒し系コメディ。
(チラシより)

 昨年上演された「福喜多さんちの三兄弟」の続編にあたりますが、前作を観ていなくても特に問題はありませんでした。

 三兄弟と言っても一人は不在で話題の中にしか出てこず、登場人物4名のうち一人はビデオの中だけなので、舞台上に立っているのは三人だけ。in→dependent theatre 2ndの広さで三人だけだとかなり広く感じてしまいそうですが、居間の舞台セットがしっかりと作られているためちょうどいいくらいの印象でした。

 内容は実に暖かい家族の物語。ちょっとしたドタバタがありつつ、誰も誰をも傷つけず思いやりあう様子は甘すぎて、下手をすると物足りなくなるくらいです。

 個人的にはここまで癒し系だと逆に癒されなくなりますが、こういう作品も世の中には必要なのでしょう。観客の大半が女性客だったのも印象的でした。

2010/06/13-17:00
劇団925「福喜多さんちの三兄弟2」
in→dependent theatre 2nd/当日券3800円
作・演出:中西邦子
出演:関敬/田渕法明/中西邦子/赤星マサノリ
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2010年06月12日

ベトナムからの笑い声「ベトナムガエシ」

betonamugaesi.jpg

オムニバスへカエル
話題作「オリエンタル歌劇団」と、新作3本
2年半ぶりのおカエシ
最後の、精華小劇場公演
(チラシより)

 劇団お得意の短編オムニバス。「マフィアンルーレット」「ミステリー小説を読みすぎた女とサスペンスドラマを観すぎた女に惚れられた松本清張な男」「スキャンダル」「オリエンタル歌劇団〜ミュージカル・ロンドバルトとポニーテール in 大阪」の全4作。

 個人的には最初の「マフィアンルーレット」が一番のツボでした。デタラメ外国語をしゃべる登場人物と字幕に映し出されるセリフですが、デタラメ外国語がどことなく日本語、だんだん日本語、下ネタのような日本語。中学生レベルと自ら語られる本当にしょーもない作品でしたが、何度でも観たくなります。

 他の作品もそれぞれ味のあるコメディで、難しいことは何も考えず楽しめました。

 これは余談ですが、こんなに楽しい舞台を作る劇団の代表である丸井さんが、どうしてあんなに小難しい芸術を支持するのかわかりません。イキシマよりベトナムガエシの方が100倍くらい面白いです。

2010/06/12-18:00
ベトナムからの笑い声「ベトナムガエシ」
精華小劇場/当日券1800円
脚本:黒川猛
出演:荒木千恵/黒川猛/徳永勝則/西河ヤスノリ/信國恵太/堀江洋一/松村康右/山方由美
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2010年06月07日

クロムモリブデン「恋する剥製」

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「あなたには中身が無いから」女にそう言われた口先だけの剥製男。彼は恋愛がうまくできない。ところが男はその口先を買われて「占い」の世界に飛び込むことに。そこには人々を欺く様々なデタラメが蔓延しており、デタラメな人間や現実社会に不適合な者がたくさん集まってくる。彼らは皆、恋が苦手で愛も苦手。そんな仲間と始めた仕事は、占いから、悩み相談に変わり、いつの間にか、恋愛相談所になってしまう!
2010/06/07-19:30
(チラシより)

 クロムモリブデンの作品はあれこれ語るだけ野暮だろう。今回は(今回も)デタラメである。気持ちよくデタラメを吐き続ける。とぼけた演出は相変わらず。ラストは大団円ではなく波乱の投げっぱなし。でも、下手にオチを付けるよりすがすがしい。

 ただ、過去に観た時より劇場が広く、当日券で一番後ろの席だったこともあって舞台が遠くなってしまい、どっぷりと世界に漬かるのが難しかった。ラストの爆音も全身を包み込むのではなく前方で鳴っているのを聞いていた格好であり、やや残念。 

クロムモリブデン「恋する剥製」
HEP HALL/当日券3500円
作・演出:青木秀樹
出演:森下亮/金沢涼恵/奥田ワレタ/木村美月/久保貫太郎/渡邉とかげ/幸田尚子/小林義典/武子太郎/花戸祐介/中川智明/小林タクシー
posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 関西観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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