2004年10月23日

メタリック農家「鳩 pigeon」☆

 あまり繁盛していない結婚式場でシェフとして働く千鶴は、同僚の鷹岡と結婚する予定だったが、困った問題があった。彼女の母親は華道の家元で、それを継ぐのを拒んで家を出ていたのだ。結婚の了解を得るため実家に戻るが、なかなか許してもらえない。
 しかし実は鷹岡の方にこそ、重大な問題があった‥‥。

(以下ネタバレあり)
 最初はダンスなどを交えて軽いノリのコメディのようだったが、途中から急にシリアスで重いテーマを突きつけられた。穏やかに見える鷹岡が実は、14歳の時に残虐な殺人事件を起こしていたというものだ。隣人がかつて殺人鬼だったと聞かされたら、どうする?

 医者はもう正常になったから大丈夫だと言うが、千鶴の母はとても受け入れられず拒絶し、週刊誌に情報を売る同僚まで現れる。そんな中で追いつめられていく千鶴と鷹岡。最後に二人が選んだ道はなんだったのか。

 14歳の少年による殺人事件ということから、題材になったのはいわゆる酒鬼薔薇事件だと考えられる。実際この事件の犯人もそういう年齢であり、そろそろ社会復帰する頃なのだ(WEB現代の記事)。もし彼のような人物が身近に現れたら、自分ならどう接するだろうか。

 役者もスタッフも若く、パッと見は学生劇団に毛が生えたような感じだが、演技もスタッフ作業もしっかりしていた。特に主役を演じた女優の抑え気味な演技が良いと思ったのだが、後でパンフを読んだらこの人が劇団主宰で作・演出でした。すごいと思います。

200/10/23-19:00
メタリック農家「鳩 pegion」
しもきた空間リバティ/当日券2000円
作・演出:葛木英
出演:中島徹/葛木英/岩田裕耳/永山盛平/横島裕/古市海見子/大川祐佳里/伊藤一将/坂元美佐登/萱嶋尚史/岩佐麻利恵


posted by #10 at 19:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 東京観劇1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
追記。
「直接会って謝罪したい」 神戸連続殺傷事件の加害男性」(朝日新聞)
http://www.asahi.com/national/update/1224/003.html
Posted by #10 at 2004年12月24日 13:01
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