2005年10月30日

私は評論家ではない、けれど‥‥

 芝居の感想をネットに書くようになって5年以上経ちました。最初は普通のホームページの中で書き、去年の1月からブログ化。最近は少し観劇のペースを落としていますが、それでも平均して週に1作は観て、感想を書いています。

 こういう状態が続くと次第に不安になってくることがあるのですが、「わくわく観劇、子役ブログ」10月20日の記事「観客として「見る(観る)」ということ」で書かれていたのがまさにそれです。小説を読むことに関して書かれた保坂和志著『小説の自由』の一文を観劇に当てはめたもので、孫引きになりますが引用します:
批評家・評論家・書評家は、書くことを前提にして読むから、読者として読んだと言えるかどうか疑わしい。書くことを仕事としない読者でも、最近はインターネットで自分だけの書評のサイトを持ったりすることもできるから、その人たちがどこまで読者として読んでいるかもまた疑わしい。

 私は同じ作品を何度も観ることはないのですが、初めて観る時でも観劇中からすでに感想の文章を考えている時があり、これって観客の姿勢として健全じゃないのではなかろうか?と思うことがしばしばあるのです。

 私は演劇評論家ではありません。このブログのタイトルをレビュー(批評)ではなくインプレッション(感想)としているのはそれが理由です。もちろん、書いて公開するからにはレビューを名乗れるくらいの文章を目指す責任はあると思っていますが、それが恒常的に可能なほどの筆力が自分にあるとも思っていません。素晴らしい作品について語る時は「自分ごときが偉そうなことを書いていいのか」と不安になり、つまらない作品について書く時は「こんなものに時間を割くのは無駄」と思ったりしながら書いています。

 それでもやはり、書くことを前提に観劇すれば評論家的な視点で観るようになってしまうものです。これは本当に観客として観ていることになるのでしょうか? あの役者の演技がいいとか照明プロットがイマイチなどと考えながら観るのはおかしくないだろうか? 私は評論家ではないし、将来そうなるつもりもありません。ならばもうちょっと観劇姿勢を戻さないといけないと感じ始めています。

 他にも色々考えるところもあり、「このあたりのことを、それとなく、考えつづけてみたい。」というはつせさんの言葉に同感です。


posted by #10 at 03:03| Comment(4) | TrackBack(0) | 雑記雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
漫然と観た芝居を言葉にするために再度自分の中でしっかりと意識化することはとても役に立ちます。私はまず第一に自分自身のために感想を書いています。

人が読んでわかり易いようにするためにさらに客観的に自分の文章を推敲していくこともまた大事なことだと思っています。思ったまま書きなぐってしまうと、後日自分が読み返しても意味不明になっていることが多いからです。

本当にいい芝居を観た時、誰かにそれを伝えたいと思うのはとても自然なことではないですか。
詰まらなかったり下らないなと思った芝居は無理に感想を書く必要はないでしょう。でもそんな芝居の方が書き上げてみた時に意外な発見があったりして面白かったりもするんですがね。
私、人の感想をよく読みに行く方ですよ。
Posted by おけい at 2005年10月31日 22:51
私も似た様なことを考えた事あります。ですが、流石に文章までは考えてないですね、というかそんな余裕ないです(^^:)。以前、観終わった直後に感想を聞かせてと言われた事がありますが、消化しきれていないというか言葉に変換することができず、面白かったとしか言えなかった経験があります。

一度、感想を書かずに楽しもうと思い、芝居を観に行ったことがあるのですが、結局あの役者さんがいいとか、脚本がイマイチとか思ってましたよ(笑)。ただ、それを記憶に留めておこうとしているかどうかの違いは確かにありました。ところが、本当に面白い芝居を観た時は、そういったことは全く考えていないことにも気がつきました。これは、いい芝居の感想は一ヵ月後でも書ける気がするのですが、面白くない芝居の場合、早く書かないと忘れてしまいそうなので芝居を観ながらでも考えてしまう、というのが真相なのでは?と思ったりします。いずれにせよ仕事として取り組んでいる訳ではないので、それとなく考える、位がちょどいいのでしょうね。

うっ、後日自分が読み返しても意味不明になっている感想いっぱいあります(;^_^ A おけいさんのおっしゃる通り、思ったまま書きなぐったというのが文章からもヒシヒシと伝わってきて、我ながら赤面しちゃいますよホント。
Posted by しおこんぶ at 2005年11月01日 01:37
>おけいさん
 コメントありがとうございます。私も元々は自分のために書いていたのですが、変な欲が出てしまったのかもしれません。

>しおこんぶさん
 毎度どうも。同じ作品を観た時のしおこんぶさんの文章はいつも感心しながら読んでいますよ。


 素晴らしいと感じた作品はぜひ誰かに伝えたいと思う反面、自分のつたない言葉では表現しきれないと悩むことも多々あります。

 そのせいか、私の場合、面白い作品を観ている時にこそ感想を考えてしまいます。どんな言葉を使ったらこの面白さが伝えられるだろうか?という視点になるからです。もちろん、さらにレベルが高い作品の時は無心に没頭するのですが、そこまでのものはなかなかありません。

 詰まらない芝居について書く時、おけいさんがおっしゃるような「意外な発見」をする時も確かにありますね。多分それはそれで心に残るものがあったのだと思います。本当にどうでもいい作品は書きにくくて困りますが(^^;;

 まだまだ、色々考えながら続けようと思います。
Posted by #10 at 2005年11月02日 02:20
お久しぶりです、アキです。
俺が演劇感想を書くのは、観る人に少しでもなにかしらの基準になってくれればいいなって思って、書いてたんですよね。
だから、俺の場合はよい所と悪い所をなるべく書くようにして、判断基準にしてくれたらよいなと。

人って好みがあるから、自分が嫌いでも他の人は好きだって事ってあるんですよね。
だから、俺の感想を観て面白くないんだなぁって敬遠されるのが凄く嫌なんですよね。
だからなるべく客観的に観ようと書いてきたのですが・・・なんだかやっぱりどうしても私見になっちゃうんですよね。

んでも、これはRush!やるまでの話で、Rush!やる前は、俺の思ったことをストレートに書いてたんですけどね(笑)
最近は、感想書くために演劇観てるのか、演劇観る為に感想書くのか分からなくなっちゃって・・・

それに、Rush!が注目されるようになって、な〜んか義務みたいになっちゃって、俺も#10さんみたいに演劇見てる最中も文章考えるようになっちゃってるから、面白くないんすよ(笑)

だから俺はやめちゃいました!
書くのが苦痛になっちゃったってのもありますが、面白さを伝えるなら感想はあんまり意味ないかもとも思っちゃいましたし。
だって、すでに終わってる感想ですし、今回が面白くても次が面白いとは限らないのが演劇ですしね。
んだったら、俺は注目演劇で十分かなと。
それに・・・観劇人ではなくなりそうですし(笑)これが一番の理由!実は!!(笑)

演劇スケジュールはやめないので、愛知に来るさいには利用してくださいね!
俺は#10さんのを引き継いだおかげでいろんな人に会うことが出来てます。
ありがとうございます!
そして、俺はやめちゃいますが、#10さんは色々考えつつ、これからも続けていって下さいね。
そして、面白さを伝えていって欲しいです。
Posted by アキ at 2005年11月28日 21:42
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。