2008年02月02日

エレベーター企画「後瀬の花/安穏河原」

後瀬の花
店の金を盗んだ太物屋の手代・矢之吉は、
飲み屋の女中・おふじと駆け落ちする。
追っ手の足音に怯え、追いつめられた二人は、いまさらに
どうしてこんなことになってしまったのかと後悔し
互いをなじりはじめる。
そのとき二人はあることに気づき、相手を、
そして自分自身を見つめなおすのだった。

安穏河原
己が信じる志のために郡奉行を自ら退身し
零落した浪人・羽生素平。
家族のために女郎に身を落とした素平の娘・双枝。
素平に頼まれて双枝に会いに行く若い浪人・織之助。
気ままに生きていながら心の中は索漠としている織之助だったが
潔い心を失わず、幼き日の親子で出かけた河原の光景を支えに
生きている双枝の姿に人間の値打ちを見出していく。
(パンフより)

 時代劇だが、殺陣があるような賑やかなものではなく、町人や浪人という無力な人々がギリギリの線で生きている姿を描く落ち着いた作品。乙川優三郎の小説を原作としているとのこと。

 舞台の構成はとてもシンプル。後方に控える語り部と前方の空間を大きな柵が隔てている以外、装置らしいものは何もない。また「後瀬の花」は全編2人だけのやりとりで「安穏河原」も基本的に3人の会話。こういう、ごまかしの効かない演出では役者の力量が問われるが、今回は2作とも満足のいく内容だった。

 小劇場では現代劇が大半で、時代劇は少ない。あったとしても新撰組のような活劇がほとんどで、今回のようにある意味しょぼくれた市井の民を描いたものはほとんど観たことがない。しかし本作を観て、十分な力量のある劇団には是非挑戦してもらいたいジャンルだと感じた。

2008/02/02-19:00
エレベーター企画「後瀬の花/安穏河原」
プラネットホール/当日券3000円
原作:乙川優三郎
演出:外輪能隆
出演:穴見圭司/なかみちあき/菊谷高広/土本ひろき/大野美伸/松下茜


posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 関西観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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