2007年11月21日

芝居流通センターデス電所「残魂エンド摂氏零度」

外は寒すぎる。
風は強すぎる。
僕は弱すぎる。
外気が肌を切り刻んで骨を削っていく。

朝にも夜にもならない凍った荒野に
誰かが立っている。
立っているように見える。
あれはきっと人などではなくただの傷跡だ。
ぽつりと残された痕だ。
残痕だ。

だけどあれもそのうち消えるだろう。
そんなことはどうでもいい。

忙しいからどうでもいい!

弱すぎる僕は部屋の中にイグルーを建てて
外気から身を守ってパーフェクト。
最強パソコンと最強携帯電話があるから
他に何も必要ない。
最速パソコンとハイスペック携帯電話を触るのに忙しいから
そんなどうでもいいことを考えてる暇などない。

何かを考えてる暇などない。

考えないといけないようなことは
彼女に尋ねれば、すぐに教えてくれる。
その間なんと0.4秒。
だからなおさら、
僕は考える必要がなくて助かる。

イグルーの外、部屋の窓の外が
どうなっているかなんて興味がない。
どうせ怖い風が吹き荒んでるに決まってる。
見なくてもわかる。
なんなら彼女に聞いてみる。
「ハイ。確かに外は怖い風が吹き荒んでいます」
この間0・4秒。
パーフェクト。
(チラシより)

 前作に比べて人数も少なく会場も小さいので爆発的な勢いは無いかと予想していましたが実際そうでした。精華演劇祭という枠組みのせいだろうか? なんだか綺麗にまとめようとした印象がぬぐえません。

 日替わりゲストによる漫才が一番笑えたというのも何だか残念な成り行き。ちなみにこの日のゲストはジャルジャルでした。まあ、あの人たちは笑わせるプロであって役者とはまた違うとも言えますが、それを言ってしまうとじゃあ役者の価値って何?戯曲の意味って何?という話になってしまいます。

 たまたま今回は平日に会社の同僚と一緒に観劇したのですが、彼は演劇初体験で、笑えるのが良いというからこれをチョイスしたという経緯があります。結果的にはイマイチだったようで、「どういう見方をしたらいいのかわからないまま置いていかれたような感じ」とのことでした。さもありなん。

 多分、笑い“だけ”を求めたらコントショーとか落語とか笑い専門の演目を選んだ方が確実で、あえて演劇というスタイルをとる作品を観る意味はないのでしょう。私がこれまでに観た数多くの芝居を振り返ってみても、純粋に笑いだけで完結して成功していた作品は非常に少ないことに気付きました。

 この作品も決して笑いだけを求めたものではなく、近未来とかネットとか孤独とか卑屈な青年とか、その辺の要素が織りなす光景がメインであって、笑いはメインのように見せかけてスパイスに過ぎないと捉えたほうが正解なのでしょう。しかし平日に関わらず大入りだった観客はみんなそういう意識なのだろうか?

 多分そうだろう。けれど演劇を観たことのない人にそれを伝える言葉がない。

 うまく感想がまとめられませんが、「おまはんや」は爆笑しました。

2007/11/21-19:00
芝居流通センターデス電所「残魂エンド摂氏零度」
精華小劇場/当日券3000円
作・演出:竹内佑
音楽・演奏:和田俊輔
出演:丸山英彦/山村涼子/豊田真吾/田嶋杏子/福田靖久/米田晋平/松下隆/竹内佑/(日替わりゲスト)ジャルジャル



posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 関西観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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