2005年08月13日

クロムモリブデン「ボーグを脱げ!」

 たたかぶジャポン(叩いてかぶってジャンケンポン)というゲームが大流行している時代。攻め具はハリセン、防具は洗面器がセオリーだが、公式大会を勝ち進んだ選手達はそれぞれ思わぬ道具に直面する。そして必要な道具をもとめて街にさまよいだし、不思議な世界に落ち込んでいく。
 というようなあらすじを書くのも不毛なんですが。

 この劇団は前回の東京公演「ボウリング犬エクレアアイスコーヒー」から観ているが、不条理ナンセンス系コメディだ。しかし演出がとても洗練されており、ナンセンス系にありがちな「どうだ奇妙だろ」的な自己陶酔感はまったくない。本当に芯から変な人達を傍観しているような気になれるのだ。

 前回の自殺サイトや今回の性犯罪者など、かなりきわどい話題を毒々しく折り込みながらも軽快に笑い飛ばせるし、音楽や照明は非常にクールで引き込まれる。クセになる感覚だ。

 相互につながりがあるようなないような断片的なシーンの連鎖で構成されているため、全体として首尾一貫したストーリーやテーマは認められない。だから時間が経ってから思い出そうとしても思い出しにくい。そういう点を不満に感じる人もいるだろうが、芝居が必ずしもあとあとまで心に残る必要はなく、エンターテイメントとして受け止めれば、これは第一級だと思う。

2005/08/13-19:00
クロムモリブデン「ボーグを脱げ!」
劇場MOMO/当日券3000円
作・演出:青木秀樹
出演:森下亮/金沢涼恵/信国輝彦/板倉チヒロ/重実百合/倉田大輔/浅田百合子/板橋薔薇之介/遠山浩司
posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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