今日は、数年に一回あいつの思いつきで開かれる同窓会の日。(チラシより)
俺たちは通っていた高校の裏庭に集まった。
こんなに参加するのに気分が滅入る同窓会があるだろうか。
15年前、この裏庭でコクジンの遺体が見つかった。
なぜこの事件が「自殺」ということになったのか。
未だに真相は明らかになっていない。
あの時、コクジンが死んだのは、俺たちのせいだったのか?
手に汗握る展開で、次第に笑顔が消えていく
売込隊ビームが魅せる本気のミステリー!
売込隊ビームは東京でも公演しているので名前は以前から聞いていましたが、実際に観劇したのは初めてです。チラシのあらすじが実際の内容と微妙に違うのは、まだ脚本が完成しないうちにチラシの惹句を書いたからでしょうか。それともミスリーディングのためにわざとそうしたのでしょうか。
いずれにせよ、巧みなミステリー仕立ての芝居でした。舞台公演でのミステリーというのは、小説や映画よりずっと制約が多いにもかかわらず、その制約を逆手にとった独特のトリックが使えます。
細かいことは控えますが、舞台ならではの約束事と思っていた部分が実は重要なヒントだったりするわけです。この作品でもそれが堂々と使われていましたが、種明かしになるまで気付きませんでした。真相も意外、そしてラストも急展開。しかし、どれについても後から考えれば大量の伏線とヒントが示されており、そういう意味だったのかと納得するばかりです。
役者も秀逸。役柄のキャラがいずれも濃いので、チラシに載っている写真(演じてない)を見ると全然印象が違ってわからないくらいです。
2007/09/22-19:00
売込隊ビーム「コクジンのブラウス」
HEP HALL/前売券2800円
作・演出:横山拓也
出演:山田かつろう/三谷恭子/梅本真理恵/宮都謹次/小山茜/西田和輝/杉森大祐/草野憲大/田渕法明/谷川未佳