2007年08月03日

満月動物園「ネムリノカケラ」

『私』はどこまでが『私』なのだろう
抜けた髪の毛は『私』ではないのだろうか
種は、いつその親樹の一部ではなくなるのだろう
つぎ木をされた樹木は自分を一本の樹だと思って
空を目指して伸びていくんだろうか
まっすぐに空を目指す樹
おそらく自分の都合だけでどこまでも伸びていく
だけども彼の都合で出来た木陰は、私を優しく守る
そんなことを考えるうちに私は深いネムリに落ちていた
【私はあなたのすべても、どの一部分も、愛せます。】
(チラシより)

 時代も場所も知れない原っぱのような場所をひとびとが行き交う。オムニバスのように何気ないエピソードが紡がれて、幻想的に反復と交錯を繰り返し、やがてひとつに織り上げられていく。

 幻想的とはいかにも安直な言い回しだが、それが一番適切な説明だろう。音と光に包み込まれるような舞台で、閑散と混雑、喧騒と静寂、滑稽と悲哀、波のように寄せて返す物語りならぬ物語が収斂していく過程は、拍手よりむしろためいきをもって讃えるにふさわしい。

 満月動物園の作品を観劇するのは初めてなので、毎回こういう趣向なのかどうかわからないけれど、多分そうなんじゃないかと思われる。ストーリーの筋を説明する戯曲とは明らかに違う、それでいて単なるダンスではなくちゃんと主題を持った、凝りに凝った演出は見物だ。役者の一人一人も皆いい味を出していた。

2007/08/03-19:30
満月動物園「ネムリノカケラ」
in→dependent theatre 2nd/当日券2800円
演出・脚本:戒田竜治
出演:河上由佳/原典子/諏訪いつみ/溝口美緒/たなかひろこ/辻千香/みず/池上和美/河村都/重田恵/川上一美/南田吉信/山田一幸/上原日呂/昇竜之助/殿村ゆたか/一快元気


posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 関西観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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