この作品は(1)愛知県芸術劇場小ホール・(2)G/pit・(3)新宿シアターモリエールの3会場で公演され、明らかに狭い(2)のみ「ギリギリ4分の1バージョン」でした。その公演についてはしおこんぶさんの「観劇の日々」でレポートされています。
私が足を運んだ(1)と(3)はいずれも「うきうきホールバージョン」と銘打たれていますが、(3)の舞台サイズは(1)よりだいぶ小さく、半分から3分の2程度しかないと思います。そのため実際には3会場それぞれに会わせた作り込みが必要だったのではないでしょうか。
“バス停でバスを待っている”という設定から始まるこの芝居は、幕が上がるといきなりほぼ全員が一列に並んでいます。その数実に十二名。(1)の舞台では比較的余裕がありましたが、(3)だとギッシリです。ただ、(1)で見た時に感じた「モリエールでは並び切れないのではないか?」という心配は杞憂でした。むしろギュウギュウ詰めの雰囲気が出て良かったかもしれません。
展開はすでに知っていましたが、それでもワクワクして観ることができました。ダッシュして去る場面ではどうしても舞台の狭さゆえにスピード感が欠けたことは否めませんが、それ以外はおおむね狭さがプラスに働いていたと思います。
また、名古屋の劇団の東京公演なのでそう混まないと思っていたのですが(失礼!)、土曜の夜の会で座席は9割以上埋まっていました。東京でも着実にファンを増やしているようで、同郷の者として嬉しいことです。
2005/07/09-19:00
劇団あおきりみかん「ホップ・ストップ・バスストップ」
新宿シアターモリエール/当日券2800円
作・演出:鹿目由紀
出演:とみィ/林本めぐみ/近藤絵理/大屋愉快/水谷悦子/中元志津/花村広大/成田けい/井通302/手嶋仁美/山中崇敬/松井真人/木村仁美