舞台は漁師である一人の男(久保井研)、(チラシより)
彼の住む海のそばの古いアパート。
老人(マメ山田)が引っ越して来て…。
小劇場とは思えないほど立派なセットで古びたアパートの二部屋が組まれ、陽気な漁師たちの集まる左側と、陰鬱な空気の漂う右側が対比される。
陰鬱と言ってもマメ山田(とても小さい人)が演じる老人はどこかかわいらしさと不気味さを兼ね備えたコミカルな人物だ。漁師たちは荒っぽくて陽気だけど何か繊細で不安を抱えた影も見せる。両方の部屋に足を踏み入れる唯一の登場人物である介護士の女性は、絵に描いたように謎めいている。
以前この劇団の「ダークマスター」を観劇した時は実験的すぎて意味がわからない部分も多かったが、今回はまだ素直な作品だったと思う。しかしそれでも、結局何を描きたかったんだろうかという疑問が残った。何かを示そうとしている気配はものすごく感じるのに、それが何かいまいち掴めない印象だ。
単純に受け止めればいいのかもしれないが、私が気付いていない意味がありそうで、気になる。
2007/07/08-18:00
庭劇団ペニノ「笑顔の砦 〜関西バージョン〜」
精華小劇場/当日券3500円
作・演出:タニノクロウ
出演:久保井研/飯田一期/山田一彰/山田伊久磨/矢島健/五十嵐操/瀬口タエコ/マメ山田