2005年06月18日

机上風景「複雑な愛の記録」☆

 あるアパートの一室で暮らす若い夫婦のもとへ、夫の妹が男を連れて居座っている。原因は妻が妹の飼い猫を車で轢いて死なせたことのようだ。逆らえない夫婦を前に横暴な態度をとる妹。だが妻の子供じみた態度で妹は逆上する。そして、彼らのことをすべて見ていた女がいた。

 以下、ネタバレあり。

 主人公は隣室から彼らを見ている女性。彼女は壁の向こうが見えるという特種能力を持っており、その部屋で一人黙々と「封を切っていない手紙を読む」仕事をしていたが、隣室で繰り広げられる出来事もじっと見ていた。

 二つの部屋は同じ場所で演じられる。隣室の人々は彼女が見えないので、まるで幽霊のように立っている。その状況について説明はないので、理解できるまでしばらく時間がかかったが、わかってくるとあたかも彼女と同じように見えている感覚になる。不気味な覗き見舞台のようだ。

 特殊能力ゆえに普通ではない感性を持っているはずの主人公だが、その行動はとても率直な感情にもとづいており、なぜか共感できる。そして彼女は恋をしている、あるいは恋をしているつもりになっている。正常ではないけれど素直な姿勢で愛を伝えようとする。

 しかし姿を見ることができても心まで読むことはできない。彼女の恋は悲劇で終わるが、ラストシーンは不思議と美しい印象を受けた。

2005/06/18-19:30
机上風景「複雑な愛の記録」
タイニイ・アリス/ウェブ予約2800円
作:高木登
演出:古川大輔
出演:平山寛人/おもちゃ/浜恵美/坂口哲/川口華那穂/古川大輔
posted by #10 at 23:00| Comment(1) | TrackBack(1) | 東京観劇1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして。「複雑な愛の記録」時子役のおもちゃと申します。先日はご来場ありがとうございました。

「不気味な覗き見舞台」「なぜか共感できる」とのお言葉、大変嬉しく読ませて頂きました。楽しんで頂けましたなら幸いです。

まだまだ未熟者ではありますが、今後とも温かくお見守りください。
Posted by おもちゃ at 2005年07月02日 01:16
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机上風景「複雑な愛の記録」(追記)
Excerpt:  机上風景の第11回公演「複雑な愛の記録」に関して、24日付レビューを掲載しました。その後、「観劇インプレッション」サイトの「#10」さんが公演評を掲載しているのが分かりました。そこで「特殊能力ゆえに..
Weblog: Wonderland
Tracked: 2005-07-01 10:13
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