2007年06月17日

桃園会「a tide of classics」

 ウイングフィールド15周年「時代を拓く演劇人」企画に参加し、岸田國士の戯曲四作を三作ずつ上演する。作品は「紙風船」「驟雨」「留守」「可児君の面会日」で、私が観劇した回は「留守」を除く三作が演じられた。

 岸田國士の名前は戯曲賞のタイトルとしてしか知らなかったので、彼がどんな作品を書いたのかも当然知りませんでした。作品の背景は明治後半から昭和初期にかけてでしょうか。まだ息苦しい情勢にはなっていない、穏やかな古き良き時代の印象です。

 「可児君の面会日」は、作家である可児君が面会日を告知して客を待つところ、珍妙な客達が次々に現れて翻弄される。「驟雨」は新婚旅行で新郎のふるまいに怒った新婦が親戚の家でひたすら愚痴をぶちまける。「紙風船」は、自宅で休日を過ごす夫婦のとりとめない会話。

 いずれも、特筆すべき重要なテーマとか見どころがあるわけでもなく、時間的にも短い小作品。それでも、さすがに後世に名を残すだけのことはあると感じずにいられない良品です。

 全体に会話が中心の作品なので動きは控えめな場面が多く、役者の演技はごまかしが効かないので難しいだろうと思いますが、これを演じた桃園会の力量は十分なものでした。私が観劇するのは今回が初めてですが、すでに33回目の公演とのこと、堂々たる仕上がりでした。

 普段はわりと戯曲も書き下ろしの公演を観ることが多いのですが、やはり古典も時々観たいと思わせられる体験でした。

2007/06/17-19:00
桃園会「a tide of classics」
ウイングフィールド/当日券2800円
作:岸田國士
演出:深津篤史
出演:江口恵美/紀伊川淳/はたもとようこ/加納亮子/長谷川一馬/川井直美/森川万里/寺本多得子/橋本健司/樋上真郁/小坂浩之/亀岡寿行


posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 関西観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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