
いつもの朝、いつもの挨拶をして、いつもの人達に会って、いつものように笑って、いつものように寝る。(チラシより)
そうやっていつも当り前にある物や人が突然消えてしまった。…そんなこともいつもある。
それも日常ならば、当り.前に「私」だと思っていた「私」が突然「私」ではなくなってしまう事だってあるだろう。
そうなると失って初めて気づく日常の光景には、さて、誰がいつ気付くのでしょう?
演劇というよりライブパフォーマンスのような作品だが、綿密に書かれた脚本があるという点で間違いなく演劇だ。冒頭、舞台上に作られた障子のような紙にあいうえおが順番に筆で書かれる。そしてあいうえおにまつわる不条理な物語が展開される。
この不条理さは昔懐かしい感覚だった。私が演劇を観るようになった始めの頃はこういう不条理劇がたくさんあったように思う。ただその頃のものに比べると脚本は緻密になっている。そうでなければ残らないのだろう。
喋れない文字が増えていくというネタは幽遊白書の「禁句」という話を思わせますが、本作ではさらに一捻りされており、セリフを検証するだけでなくボキャブラリーの勝負みたいな楽しみ方もできました。
2015/03/21-14:00
オイスターズ「日本語私辞典」
シアター風姿花伝/当日清算3000円
作・演出:平塚直隆
出演:秋葉由麻/川上珠来/ほしあいめみ/河村梓/寺島久美子/横山更紗/覚前遥/田内康介/高瀬英竹/平塚直隆
舞台監督:柴田頼克
照明:今津知也
制作・音楽:河村梓
宣伝美術:studio maco
制作協力:城早乙合
劇団スタッフ:中尾達也/古川聖二/高瀬英竹/青井美都/吉田愛/諸橋辰彦/山田大貴