
誰だって一度ぐらい考えたことがあるだろう。何をやっても無駄なのだと。でもだからって、本当に何もしないのは勇気のいることだ。あがいて、もがいて、何も生まれなかったとしても、そこには何もなかったわけじゃない。(チラシより)
すべてが遺跡になるわけじゃない。
あったのだ。確かに。ここに。
“さる農法の実践者”を慕う主婦たちが集う農園の集会場のような場所が舞台。入れ替わり立ち代わりメンバーやメンバーじゃない人がやってくる。遠くの都会からたまに来て趣味的に農業をやっている人や、近所のお寺から手伝いに来ている若いお坊さんたちや、新しく来た人、やめていく人、続けている人。
人が集まるところには暖かさと共にいざこざも生まれる。昔はひどい目に遭わされたといった話も出てくる。初々しい若者カップルもいれば、離婚の危機を迎えている夫婦も。しかし全体を通じて大きなストーリーがあるというわけではなく、淡々と(時にバタバタと)時が流れていく。
中心人物である「堀内さん」が来るはずなのにいつまでも現れないあたりは、ゴドーを意識したのでしょうか。起承転結を追いかけるのではなく、その空間を味わうタイプの芝居でした。ぼんやりと、時にハラハラしながら堪能しました。
2015/03/07-19:00
タテヨコ企画「土に寝ころぶ女たち」
SPACE雑遊/当日精算3200円
作・演出:横田修
出演:青木シシャモ/市橋朝子/舘智子/西山竜一/久行しのぶ/向原徹/遊佐絵里/井上太/岩倉真彩/北村延子/小林至/代田正彦/武田祐美子/田代尚子/林大樹/原口健太郎/森下なる美
舞台監督:木村光晴
照明:鈴村淳
音響:中村光彩
舞台美術:濱崎賢二
宣伝美術:平地みどり
チラシ写真:神山靖弘
演出助手:大塚あかね/中島悠子
制作:津吹由美子
製作:タテヨコ企画
The other members:舘野完/ちゅうり/服部健太郎/好宮温太郎