
香水は時間の経過により、香りが変化するように作られる。肌につけた瞬間からニュアンスは変化を始め、汗や体臭と混じり合うことで様々な表情が生まれるのだ。(チラシより)
その女は調香師だった。殺害現場に物証は無く、香水のレシピの記されたノートが消えており、匂いだけが残されていた。
事件の担当となったのは、裏の世界と癒着のある悪徳刑事。容疑者として浮上したのは、調香師と密接な関係にあった暴力団幹部。
事件を嗅ぎ回る野心的なルポライターが、困難の果てに掴んだ真実とは。そして「輝きの国」とは一体。
ラズカルズ渾身のサスペンスコメディをどうぞご期待ください。
匂いを舞台上の演出で使うのはかなり困難だと思われるが、あえてそれをテーマにしたのは面白い。しかし期待したほどその設定は生かされていなかったように想う。まあ、薬としての側面を使ったのだろうけど、せっかく香水とするならもっと華やかな雰囲気が出せればよかったと思う。
悪徳刑事、暴力団、宗教団体、ルポライターと、いかにも怪しげな面々が入り乱れて展開するサスペンスだが、説明セリフが多すぎた。そして一番残念なのはサスペンス面の結末が首を傾げるようなものだった点。
コメディとしてはまあまあだった。しかしサスペンスとのコントラストがやや不明瞭だったため、どっちつかずな作品になってしまったように感じた。
2015/03/07-14:00
ラズカルズ「トップノート ミドルノート ラストノート」
サンモールスタジオ/当日清算3500円
脚本・演出:松本たけひろ
出演:小豆畑雅一/川崎裕也/熊坂貢児/酒井俊介/佐藤宙輝/高岡純/田村舞/手塚けだま/林真也/前田剛/村上和彦/山田健太郎/与古田千晃
衣装スタイリング・フライヤーデザイン:中島エリカ
映像撮影・フライヤー撮影:宮永智基
映像編集:山本清香
舞台美術:向井登子
照明:山浦恵美
音響:橋下絢加
舞台映像:奥村周也
映像音楽:SOWU
演出助手:青木伸悟
舞台監督:大友圭一郎
舞台写真:永田理恵
フライヤー製作:森山由里亜
宣伝記事:宅野美穂
制作:塩田友克