2015年02月11日

タカハ劇団「わたしを、褒めて」

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――わたし、褒められるためだったら、人を殺したっていい!!!

都内某所のアパートで、一人の女優が死んでいた。
彼女はなぜ死んだのか。真実は、稽古場にある。

東京の片隅の、どこにでもある、
誰にでも住めるようなアパートの一室で、
一人の女が死んでいた。
一見して彼女の素性は知れなかったが、
遺品から、この女が女優だったことがわかる。
彼女の部屋に散らばる無数の公演パンフレットから、
舞台『楽屋』パンフレットを拾い上げ、刑事が言う。
「あ〜この人か! 知ってる知ってる、
俺テレビでなんどか見たことある!」
そういった刑事の持つパンフレットをのぞき込んで、
もう一人の刑事が言う。
「あー……俺ちょっとわからないっすねぇ」
彼女は、そんな女優だった。
(チラシより)

 演劇の中で演劇を扱うと内輪ネタのようで好きではありませんが、この作品は別格でした。本作で劇中劇として登場する「楽屋」という作品は実際にかなり多くの劇団が上演している定番戯曲で、これ自体がさらに劇中劇を持ちますが、本作全体もまた劇中劇の体裁をとっていました。一番メタな部分は必要あったのかよくわかりません。

 演劇の舞台裏がどんなものか私は知りません。恐らく本作は相当に誇張したものと思われますので真に受けるわけではありませんが、人間ドラマとしては多分そういうこともあるんだろうなと思われます。実力の世界なだけにドロドロした部分はなくせないでしょう。

 過去にドラマがヒットした女優を起用して話題性を持たせるという、いかにも商業演劇的なキャスティングがとんでもない事態を引き起こすのですが、この芝居そのもののキャスティングは見事なまでにはまっていました。

2015/02/11-14:00
タカハ劇団「わたしを、褒めて」
駅前劇場/事前振込3900円
脚本・演出:高羽彩
出演:千賀由紀子/異儀田夏葉/江原由夏/水木桜子//高野ゆらこ/古木知彦/神戸アキコ/後東ようこ/結城洋平/山田悠介/眼鏡太郎/久保貫太郎
美術:稲田美智子
照明:吉村愛子
舞台監督:横川奈保子
振付:吉本由美
宣伝美術:羽尾万里子
票券:荘司雅子
制作:藤野和美
posted by #10 at 14:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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