−僕、あることを確かめたくて、身辺「生」理してるんです。(チラシより)
峰岸は、30代の男だ。
峰岸は、身辺整理を始めた。
思い出の品を捨て、彼女とも別れ、
遺影用のすてきな写真を用意した。
日記も、書いた先から破り捨てている。
病気もなく、至って健康である彼は、
何故、こんなことをしているのか。
「人間は、生まれた時から死ぬために生きている」
そう言い残して死んでしまった、
親しい友人の面影を求めて。
あらすじだけ読むとなんだか暗いシリアスな話のようだが、あおきりみかんの作品でそんなわけがなく、ハートフルな物語だ。主人公とその友人に何があったのか、彼が何を思って身辺整理をしているのか。謎めいたエピソードがにぎやかにコミカルに語られ、少しずつ真相が明らかになっていく。
持ち物を容赦なく捨てていく主人公の部屋が舞台になるが、片付け中で散らかった場面ときれいに整理された回想シーンの転換が秀逸だった。普通なら暗転して切り替えるところだが、ダンスを交えて巧みに片付け、そして散らしていく。あおきりみかんは昔からあまり暗転を使わなかったと思うが、こういうスタイルはもっと普及してもいいのではないかと思う。
2015/01/24-19:00
あおきりみかん「身辺生理」
シアターグリーン BOX in BOX THEATER/当日精算2800円
作・演出:鹿目由紀
出演:松井真人/山中崇敬/カズ祥/花村広大/篠原タイヨヲ/ギャバ/川本麻里那/近藤絵理/真崎鈴子
スタッフ:中元志津 /正手道隆/登澤良平/松井純子/木下佑一郎/フタヲカルリ/平林ももこ/山口眞梨