2014年11月03日

DART'S「In The PLAYROOM」

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人気小説家、桐野範容の描く超絶サイコサスペンス『ザ・プレイヤー』シリーズの最新刊が発売された。
女刑事水越貴理子をまき込んだ天才殺人鬼の殺人ゲームは巻を重ねるごとに激化していく。
最高傑作との呼び声も高いその新作を、待ち望んでいた読者たちが手にする。物語に浸る幸福な読書体験。

それを遮ったのは、本に挟まれていた1枚の紙片だった。

『私の小説の登場人物になりませんか?』

あやしげな文句に惹かれ集まったのは熱心な愛読者たち。西武新宿線西新宿駅近くの廃墟ビルに招かれた彼らの前に、桐野範容を名乗る人物があらわれる。

「登場人物 として、殺人鬼『プレイヤー』のゲームに参加してください」

参加した読者たちの行動をもとに、桐野がこれから新作を書こうというのだ。
自分の大好きな小説の登場人物になれる。

迷わず参加を決めた彼らに、殺人ゲームのルールが説明される。殺人鬼に指定された今回のゲームは『鬼ごっこ』だった。

「それでは、ゲームを始めましょう」

作家桐野範容の『想像の世界』を舞台にして、天才殺人鬼が鬼となる『恐怖の鬼ごっこ』が始まる―

【ルー ル】
・行動範囲は新宿区限定とする。決して区外に出てはならない。
・ゲームは13時に開始し14時に終了することとする。
・以上のルール内であれば何をしても構わない。
・鬼にタッチされたら負けとなり『罰』を受ける。

この物語から逃げることは、許されない―
(チラシより)

 新宿区内を逃げまわる展開をどうやって劇場で上演するんだろうと不思議だったが、実際は逆に密室に閉じ込められた状態で頭脳戦が繰り広げられる。

 複雑な展開が言葉で説明されるので、状況を把握するのが一苦労。正直な話、途中から追いかけるのを放棄してやりとりを眺めていた。しかしこの話の本当のポイントはそこではなく、その先にあるどんでん返しに次ぐどんでん返しというミステリーの波状攻撃だ。

 全部で4回か5回はどんでん返されたのではないだろうか。しかし理不尽なものではなく、最初の方で微妙に違和感があった部分が次々に解明されていくような展開で面白かった。登場人物それぞれに見せ場がある構成で、やってる方も楽しかったと思う。

2014/11/03-13:00
DART'S「In The PLAYROOM」
シアター・ミラクル/当日精算2500円
脚本・演出:広瀬格
出演:島田雅之/國重直也/浅見臣樹/今里真/金崎敬江/佐賀モトキ/椎谷万里江/民本しょうこ/松澤くれは
舞台監督:黒澤多生
照明協力:奥田悟史
宣伝写真・舞台写真:石澤知絵子
宣伝美術:羽尾万里子
制作協力:足立悠子
posted by #10 at 13:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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