
STORY:人生に意欲を失った青年は自分の最後の場所を決めるため、必要なものをバッグに詰め込んで旅にでた。東京のはずれにある山の中で、崖の上から下を覗き込んでいるときに、疲労からか不意に意識を失ってしまった。...目が覚めると、見知らぬ女性に肩を抱かれながら古ぼけた大きな民家へと招き入れられ、しばらくそこで療養することになった。たった一人で広い古民家に住む女性は自分の事を夫人と呼んでくれと頼み、沢山のことを青年に語りだす。そのうち二人は友達のような、親子のような。妙に不思議な関係を築いていく。この物語は、青年と夫人のたった数時間の対話の物語。(サイトより)
田舎の広い家に住む、人としてダメな女性の話。上記のあらすじを読むと穏やかな物語のようだが、実際はかなりコメディタッチだ。あと「たった数時間の対話の物語」とあるがそうでもなかった。途中から別れた元夫がやってくるし、後半は夫人が亡くなった後の家を片付ける場面となる。
主役である夫人はちっとも落ち着きがなく、周りの人に迷惑をかけまくって生きている。前半は彼女に振り回される人々の物語でもある。だから後半で彼女がいなくなった時にはやっと静かになったと安堵するのだが、同時に不思議な喪失感に包まれる。こんなもので泣かされるのはしゃくにさわるが、ちょっと泣いておいた。
決して重いわけではない個々のエピソードが折り重なって全体の空気を作り出す手法がよかったと思う。
2014/10/18-14:00
スプリングマン「どんまい、椿夫人」
TACCS1179/当日券3800円
脚本・演出:澁谷光平
出演:日南田顕久/あきやまかおる/イワゴウサトシ/波多野和俊/徳永愛/武藤啓太/苗村大祐/かなざわ陸/鵜殿麻由/川西ゆうこ/八代進一/矢治美由紀
舞台監督:熊脇直助
音響:竹田雄
照明:たなか一絵/正傳静
宣伝美術:河嶋浩介
制作:井手昭仁