女のいない世界の男達を女優が演じ、造られた女を男優が演じる少々奇妙な舞台。最初は滑稽だったが、不思議なものですぐに見慣れて、シリアスな場面でも違和感なく観られた。
設定は明らかに無理があるが、それは言うまい。「男らしくない」と言われることが最大の侮辱となっている世界の男達が、女の出現によってどんどん心をかき乱されていく様子は物悲しい。奇抜な設定の世界でややベタな展開、そして少々意外なエンディング。バランスのとれた秀作だったと思う。
音楽が全て生演奏なのもとても良かった。「芝居者と音楽家の表現ユニット」と書かれているのでここはいつものことなのだろうが、是非他の劇団でも取り入れて欲しいスタイルだ。録音されたBGMは舞台の外から投げ込まれる音にすぎないのに対し、舞台上での生演奏は(たとえ奏でられる音がわずかだったとしても)何倍も確かな効果を持ち得ると思うから。
2005/05/22-19:30
しずくまち♭「穴ヲ食ベル」
麻布die pratze/当日券3500円
作・演出:ナカヤマカズコ
出演:諏訪友紀/伊藤美紀/下中裕子/坂本華子/飯野さくら/由田豪/ナカヤマカズコ/山崎龍一/岡島仁美/朴井明子
演奏:堀米綾/海月たか子/生形憲市郎/侘美秀俊
名古屋で芝居をしていました七待と申します。
名古屋にいらっしゃった時から、#10さんの観劇の記事は楽しみにしていました。
実は昨年、私も「しずくまち♭さん」のお芝居を観たのです。
生演奏素敵だなー、と思いました。
あんまり今回の記事へのコメントではないんですが、
なんとなく知っている劇団の名前があがっていたので、コメントしてみました。
これからも観劇記事楽しみにしております。
では。
なかなかコメントしてくれる人がいなくて寂しいので、どんどん突っ込んで下さい。
ところで「七待」って何とお読みするのでしょうか?
とても嬉しいです。ありがとうございます。
ちなみに名前は「ななまち」と読みます。