名古屋の劇団の東京公演というパターン。ホームグラウンドとなっている愛知県芸術劇場小ホールに比べると、シアターモリエールの舞台は半分ほどしか幅がないように思える。そのせいか、アクションシーンでは少なからず窮屈な印象を受けた。
芝居の内容によって舞台サイズの影響を受けやすいものと受けにくいものがあると思うが、この作品は明らかに後者だろう。巨大な怪獣が現れてウルトラマンと肉弾戦を繰り広げるのだから、広いステージの方が魅せやすいはずだ。
地方の劇団が東京に進出するのは、ある程度実績を積んでからになるのが普通だろう。ところがその実績を積む間に広い舞台に合った作風になってしまうと、東京進出時にアンバランスが発生するのではないか。いくら地方でそれなりの集客ができていても、東京でいきなり同規模の劇場を使うのはリスクが大きいからだ。
今回の場合、広い舞台に向く作品をどうにか苦労して小劇場に収めたという印象が残った。しかし東京で観劇する客にそういう苦労を理解してくれとは言えないので、次回はもっとうまくこなすことを期待したい。作品自体は決して悪くないのだから、せっかくの遠征で持ち味を出し切れないのはもったいない。
2005/05/15-17:00
劇団シアターガッツ「ウルトラコージ」
シアターモリエール/当日券
作・演出:品川浩幸
出演:藤元英樹/脇山烈/山崎淑子/寺西栄美/永井裕子/道家希/中川弘樹/川浦君英/佐藤有理/長谷川雅行