主人公 相羽和希(あいばかずき)は新聞社の受付に務める平凡なOL。(チラシより)
ある日突然、発病の仕組みも原因も分からない、女性だけが罹る難病【透明病】を発症する。
死に至る病という訳ではないが、特効薬もない。【ただ、透明になってしまう】という病。
透明病のせいで仕事を失い、精神的に追いつめられた彼女は
医者の勧めで、とある「喫茶店」に辿りついた。
そこで出会う様々な人々との触れ合いの中、彼女は一人の男性にほのかな恋愛感情を抱く。
しかし、そこに立ちはだかるのはやはり「透明病」の壁だった──。
「透明病」である和希の恋を軸にして繰り広げる「見えない恋人達」の切ない物語。
単刀直入に言って、とても面白い芝居でした。コミカルなシーンでは腹を抱えて笑い、緊迫した場面では手に汗握り、恋愛描写は見てるこっちが照れる、満足のいく観劇ができました。
演出も適度なもので、役者もきちんと稽古している印象を受けました。惜しむらくは、インパクトの強い登場人物やエピソードが多すぎて、主人公の影が薄かったという点。そのため、クライマックスにおける主人公の決断や行動が際立たなくなっていました。
しかし主人公が誰かということに拘らなければ、作品としてはバランスの良いものだったと言えるでしょう。役者で注目したのは、高沢(医師)役の大沢めぐみと、早瀬(酒屋)役の河口仁。役柄のせいもあるのでしょうが、いずれも細身の体でよく通る声とキレのいい動きで、観ていてスッキリしました。
チラシやウェブを見ても第何回公演とか書いてないので、劇団としてどのくらいの歴史があるのかよく判りませんが、次回も観たいと思える作品でした。
2007/04/01-18:00
シアターシンクタンク万化「トランスルーセント 彼女とドーナツを」
in→dependent theatre 2nd/当日券2500円
脚本:美浜源八
演出:小田益弘
出演:山下勝則/上畑圭市/高橋明文/島功一/菅本城支/河口仁/さかいしんご/水谷有希/藍原こまき/有元はるか/大沢めぐみ/高橋千鶴/長谷川千幸/坂野多美