弁当屋のみなもとは、世田谷の商店街にある小さな老舗の弁当屋だ。切り盛りしているのは三代目である長男の信秀。人の良さだけが売りの萎びた弁当屋にかつての賑わいはない。それでもパートの春日と共に常連相手にあくせく働いている。みなもと家は早くに両親をなくしており、残されたのは四兄弟だけ。次男の龍盛は大手電気メーカーに就職しハワイの支社で働くビジネスマン。三男の清朝は働きもせず家に巣食らう寄生虫のような自堕落な生活を送る日々。四男の瑠宇玖はまもなく就職を控えた都内の私大に通う学生だ。親代わりをしている長男の信秀は、三男の清朝の将来だけが不安であった。四兄弟とその周りの人々の少しだけ何かが変わる平成の兄弟の物語。(チラシより)
この劇団は前回の「雨とマッシュルーム」を予備知識ゼロで観に行ってなかなか良かったので今回は予約して行ったが、やっぱり良かった。笑いあり泣きあり感動ありの、極めてオーソドックスなお芝居。基本に忠実というのか、斬新な演劇をたくさん観ていると時々こういう所に戻ってきたくなる。
自分には同性の兄弟がいない。3歳年上の姉がいるが性格や興味の対象が全然違うのでケンカもほとんどしたことがないので、兄弟の確執みたいなものはなかなか想像しづらい。物語としてはいい感じに終わってはいるものの、会社や学校ならともかく家の中でこんなに人間関係がややこしかったらストレス溜まるだろうと思う。
2013/08/17-14:00
スプリングマン「弁当屋の四兄弟」
OFF・OFFシアター/当日精算3200円
脚本・演出:澁谷光平
出演:苗村大祐/波多野和俊/あきやまかおる/武藤啓太/井手昭仁/酒井香奈子/イワゴウサトシ/狩野俊哉
ゲスト:清水愛/鵜殿麻由
舞台監督:熊脇直介
音響:竹田雄
照明:たなか一絵
映像:河嶋浩介
宣伝美術:小谷昌嗣