2013年08月16日

マームとジプシー「cocoon」

cocoon.jpg

憧れも、初戀も、爆撃も、死も。
(チラシより)

 毎度話題性の高いマームとジプシーに、今回もまた強烈な一撃をくらった。

 太平洋戦争末期の沖縄地上戦における女学生たちの物語と思われるが、時と場所ははっきり示されているわけではない。もしかしたら過去ではなく未来のことかもしれないという含みを残しているように受け止めたが、どうだろうか。

 現代と変わらない楽しい学校生活を過ごしていた女学生たちが、傷ついた兵士たちの世話をするために動員される。食事の準備は洞窟の外に出なくてはならない最も危険な仕事。負傷した兵士の傷口にはウジが湧く。さらに戦況が悪化すると突然の解散命令を受け、安全な場所を求めて森のなかを逃げるが、次々に命を落としていく。

 同じセリフや同じシーンの反復というこの劇団の演出手法が、悲惨な話においては強烈な力を発揮した。それに加えて、舞台上の役者が持っているカメラの映像をそのままスクリーンに映しだすという手法が、ドキュメンタリー的な雰囲気を作っていた。

 手前は砂を敷き詰めた素舞台。その向こうにスクリーンとなる白い布があり、そのまた向こうにもスペースがある。そこで演じられる光景もまたカメラで映されスクリーンに。舞台でありながら視野が限定され、全貌が掴みづらくなる。渾沌とした状況を描く憎らしいほどに効果的な演出だ。

 しかしそんな技術的なことより、ずしんと伝わってくる魂の叫びのようなものを受け止めるので精一杯でした。役者たちも何かに取り憑かれているように見えた。

2013/08/16-19:00
マームとジプシー「cocoon」
東京芸術劇場シアターイースト/当日精算4000円
原作:今日マチ子
作・演出:藤田貴大
音楽:原田郁子
出演:青柳いづみ/伊東茄那/大岩さや/尾崎紅/尾崎桃子/川崎ゆり子/橘佑奈/菊池明明/小泉まき/小宮一葉/中前夏来/鍋島久美子/難波有/長谷川洋子/的場裕美/山崎ルキノ/吉田彩乃/吉田聡子/李そじん/石井亮介/尾野島慎太朗
舞台監督:森山香緒梨
照明:吉成陽子/富山貴之
音響:角田里枝/田鹿充
舞台美術・映像:細川浩伸
衣装:高橋愛
音:zAk
演出助手:召田実子/小椋史子
チラシイラスト・劇中画:今日マチ子
ロゴデザイン:川名潤
宣伝美術:本橋若子
制作:林香菜


posted by #10 at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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