わたしは自分が生きているこの星についてほとんどなにも知りません。(チラシより)
次の瞬間ここでなにが起こるかの予測もできないし、今現在ここでなにが起こっているのかすらわかりません。
その上この星で暮らす人間たちがなにを考えているのかもわかりませんし、
なにより困ったことに、わたしはわたしがこの星に生まれた意味さえわからないのです。
それがとても不安で耐えられません。
だから誰かに謎を教えてもらいたい。嘘でも無理矢理でもなんでもいいんです。信じさせてさえくれれば。
ある夫婦、どうも夫がDVをしているっぽいが実際どうなのかはっきりしない。そこへ訪ねてくる妻の昔の同級生。お節介な大家さん、大家さんの夫は足が悪く一人ではうまく歩けない。妻の父と一緒に出て行った妹が帰ってくる。
変な人、頭のおかしい人がたくさん出てくる話。当日パンフレットの配役表で、ある人物の説明に「キチガイ」と書かれていて驚いたが、その人に限らず全員がちょっとずつキチガイだった。最初はまともな人に見えても、だんだんおかしなことを言い始める。じわじわと不気味さが募っていく。
登場人物がことごとくおかしいという点では乞局を思い出させる作風。観後感は気持ち悪いものだが嫌いではない。この劇団の舞台を観たのは初めてなので、今回の脚本がそういう内容なだけなのか、いつもこんな感じなのかは今のところ不明だが、しばらく注視したいと思う。
2013/08/11-14:00
水素74%「謎の球体X」
こまばアゴラ劇場/当日精算2000円
作・演出:田川啓介
出演:川隅奈保子/兵藤公美/古屋隆太/村井まどか/折原アキラ/富田真喜/八木光太郎
舞台監督:大地洋一
舞台美術:角田千穂
照明:板谷悠希子
音響:池田野歩
衣裳:正金彩
制作:堤佳奈