2013年04月06日

踊れ場「うそつき」

usotsuki.jpg

カルタゴは小さな港町である。
町は手狭ながらも、太陽の光に満ちて明るく、近代的で新しい。
かわりに伝統に裏付けられた厳かな雰囲気や、
計画的に整備された町並みとしての美しさがここには無い。
潮風のにおい。
港には小さな漁船もあるにはあるがあまり多くはなく、商業用の中・大型の船舶が目立つ。
海水には塩分が特に多く含まれているのか、
海岸のところどころで何かの鉱物が白く結晶して堆積している。
潮風はとても乾いていて砂漠に吹く風のようである。
砂漠が大陸を侵食していって、そのまま海にぶつかったような土地。
町は数十年前の戦争から急速に復活を遂げたために、
ところどころ穴の開いたように廃墟を残しながら繁栄している。
「カルタゴ・ノヴァ」はその町の外れにある。
港町が内陸に入って一旦はっきりと終わった辺りに、また逆に内陸から続く砂漠の終わりに、
記念碑のようにポツンとこの店は建っている。
(チラシより)

 荒廃した都市の飲食店に不審な旅人がやってくるところから始まる。じわじわする会話で少しずつ色々なことが明かされていく。戦争があったこと。戦う人造人間のこと。男がかつて暮らした女性を探していること。この店の女性がその人だということ。しかし女性は、その男は別人だと言う。

 ひょっとこ乱舞(現アマヤドリ)の広田淳一が書いて上演した脚本に、ぬいぐるみハンターの池亀三太が惚れ込んで、自身の別ユニットである踊れ場で上演したのが今回の公演。しかも役者と演出を変えて動脈バージョンと静脈バージョンというふたつの作品を仕上げてきた。残念ながら私が観たのは静脈バージョンのみだが、特に静脈っぽさはなかった。

 シンプルな話だけに、演出の工夫で大きく印象を左右できそうな脚本だ。もっと色んな演出家がトライしてみてほしいと思った。

2013/04/06-15:00
踊れ場「うそつき」
RAFT/当日清算2000円
脚本:広田淳一
演出:池亀三太
出演:[静脈Ver.]浅見臣樹/中野あき/植田祥平/坂本梓
演出助手:櫻井健二
宣伝美術:平舘宏大
制作:田村浩子


posted by #10 at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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