2013年03月23日

悪い芝居「キャッチャーインザ闇」

kyaccha-inzayami.jpg

緑赤子が闇の中で思い描いていた『わたしの風景』を夫・ジャパンと共に探す旅、
女子陸上選手の走田舞が叶うことのない世界最速を目指して行う闇の特訓、
光郎とヤミーの心の闇への復讐、
これら3つの層が折り重なって展開する、先の見えない真っくら闇の中を走る抜けるような物語。
(チラシより)

 タイトルにしてもチラシのデザインにしても話の設定にしても、いかにも「人間の心の闇を描く」ような雰囲気だが、悪い芝居が描いてきたのは大体ずっとそうじゃなかったろうか。最近の悪い芝居の作品は、見た目はどんどん派手になっているが、中身の尖り方は甘くなってきている気がしてならない。

 とはいえ本作が面白くなかったわけではない。個々のエピソードはキレがいいし、役者の体力を極限まで酷使するようなクライマックスも圧巻だ。作演出の山崎彬自信が役者として出演してなかったら役者たちから恨まれたんじゃないかってほどだった。

 ただ最初に出てくるエピソードについて何となく違和感がぬぐえなかった。生まれつきめが見えなかった人が手術で見えるようになった時、「美しい風景」という感覚は得られるのだろうか? 視覚というのは目玉だけの問題ではない。

 ちなみに、幼児期に病気で視力を失い、成人してから手術で治った実在の人がどうなったかについて書かれた話を読んだことがあるが、決して幸せな結末ではなかった。その実話のエピソードに比べると本作のインパクトは弱い。タイトルに直結する話なので、そこは実話を超えてほしかった。

2013/03/23-19:00
悪い芝居「キャッチャーインザ闇」
王子小劇場/支援会員
作・演出:山崎彬
出演:大川原瑞穂/池川貴清/植田順平/呉城久美/宮下絵馬/森井めぐみ/北岸淳生/山崎彬/田川徳子/大塚宣幸/福原冠
音楽:岡田太郎
舞台監督:大鹿展明/涌本法明
美術:進野大輔
照明:西崎浩造
音響:中野千弘
音響操作・演奏:岡田太郎
衣装:植田昇明
演出補:畑中華香
演出助手:高橋紘介/川上唯
アートワーク:久保友作
宣伝美術:松本久木
WEB:植田順平
制作:有田小乃美
制作協力:寺井ゆうこ


posted by #10 at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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