
盗みはすれど仁義を守り、(チラシより)
富めるを貪り、貧しきを救うは天の道なり
れっきとした歌舞伎作品を小劇場でアングラっぽく演出。本物の歌舞伎を劇場で見たことがないのでどこまで本気なのかは判断できないが、流山児事務所のことだから、そうそういい加減な作り方はしてないであろうと信頼している。突然流山児祥がジャケット姿で現れて人形劇が始まった時はさすがに歌舞伎じゃないと思ったが。
今でこそ歌舞伎は立派な文化人しか観ない“格調高い文化”といったジャンルになっているが、本来は大衆向けのエンターテイメントだ。そのため内容は単純で通俗的。しかもひどく御都合主義で、最近で言ったら韓流ドラマのようにクライマックスシーンが続く。
しかしエンターテイメントってのはそれでいいのかもしれない。人間心理の奥深くの微妙な所をほじくり返すような描写より、こっちを好む方が普通なのだと思われる。観ていて楽しいですよ確かに。
2013/03/23-15:00
流山児★事務所「義賊★鼠小僧次郎吉」
Space早稲田/当日清算3200円
原作:河竹黙阿弥
脚本:西沢栄治
演出:流山児祥
出演:上田和弘/谷宗和/イワヲ/甲津拓平/柏倉太郎/阿萬由美/山下直哉/山丸莉菜/五島三四郎/佐藤華子/神在ひろみ/流山児祥
美術:よしきひとし
音楽:諏訪創
振付:北村真実
照明:横原由祐
衣装:堀内真紀子
音響:齋藤貴博/畝部七歩
舞台監督:吉木均