2013年02月23日

風琴工房「国語の時間」

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どうして私はそこで
恥じいらなくてはならぬのか
おお 悲しき国語の時間よ
(文炳蘭)

 「国語の時間」は、一九四〇年代、大日本帝国の統治下にあった京城の小学校を舞台に、朝鮮人でありながら、日本語を「国語」として教える教師たちの群像劇です。
(チラシより))

 虚構の面白さと歴史のリアリティが調和した見所の多い作品だった。内容が重い上に2時間55分(途中休憩あり)という、小劇場としては長い作品。体力的にはちょっと疲れたが、内容は詰まっており、長すぎるという印象はなかった。

 登場人物はややステレオタイプな人物が多いものの、バランスよく配置されており、ドラマを仕立てる上で許容範囲だと思う。しかし後半明らかになるある人物の正体などは、ちょっと御都合主義に過ぎるのではなかろうか。彼がそんな経歴でなくても十分物語は成立するだろう。

 こういう内容では日本人が悪役として登場しがちだが、本作はあくまでも朝鮮人たちの物語であり、基本的に日本人は登場しない。率先して日本人になろうとする者もあれば抵抗運動に身を投じる者もいる。おそらく現実には、ただ翻弄される人々が大半だったろう。そしてそんな社会情勢にあっても、男女や親子の情、職場の上下関係、師弟の信頼などはしっかりと存在している。その描写がリアルに感じられた。

 歴史上の出来事を扱ってはいるが、似たようなことは現代の日本でも起こっているのではないだろうか。

 ラストシーンでは投石によって学校の窓が割られるのだが、この割れるガラスがプロジェクションマッピングによって表現されていた。この技術は建物の外観を色とりどりに変えるアトラクション的な使い方が最近もてはやされているが、舞台映像として非常に効果的だったと思う。

2013/02/23-19:00
風琴工房「国語の時間」
座・高円寺1/当日清算3500円
作:小里清
演出:詩森ろば
出演:加藤虎ノ介/中村ゆり/松田洋治/峯岸のり子/栗原茂(流山児☆事務所)/佐藤拓之/仗桐安/酒巻誉洋/斉藤悠/清水穂奈美/大政凜
美術:杉山至+鴉屋
照明:榊美香
音響:青木タクヘイ
舞台監督:小野八着
映像:浦島啓
衣裳作成:山中麻耶
言語指導:金世一
メイク指導:丸山かおり
演出助手:高嶋伶奈/沼景子
宣伝写真:大村祐里子
舞台写真:奥山郁
制作進行:池田智哉
制作:横井貴子
制作協力:斎藤努


posted by #10 at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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