2007年02月03日

AI・HALL+小原延之「nine」

 若狭湾に近い町の、喫茶店の半分を間借りした開放的なミニFM曲。数は少ないが活気あるスタッフ達によって運営されている。ある時、地元の高校生が書いたラジオドラマを放送することになったが、当日になって彼が意外なことを話し始める・・・

 北朝鮮による拉致事件、原子力発電所にまつわる労働者の闇、在日朝鮮人の歴史・・・様々なテーマを抱える裏日本からの、きれいごとでない問題提起。

 社会派ドラマと言えば簡単だが、そこに描かれた主張は単純ではない。いわば、単純ではないということこそが一番描きたかったのかもしれない。様々な立場で様々な主張を持つ登場人物が互いの価値観をぶつけあうが、正しい人も間違った人もいないのだ。

 多くのテーマが絡み合っていたにも関わらず、戯曲と演出が巧みだったためか、全体としてスッキリした構成になっていた。役者陣の力量も高く、演出も的確なものだった。後から振り返ってみるとずいぶん中身の濃い芝居だったと思う。

2007/02/03-14:00
AI・HALL+小原延之「nine」
作・演出:小原延之
出演:武田暁/雪之ダン/富永茜/中川晴樹/信平エステベス/田村彰規/中山治雄/伊藤泰三/山口晶子/茨木薫/奥野友理奈


posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 関西観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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