2013年02月02日

日本劇団協議会「ウェルズロード12番地」

wheruzuro-do12banchi.jpg

いつの話なのかは分からない。
とにかくロンドンにある日本食レストラン「有栖川」。
日本食が定着しているので、どこの日本食レストランも地元の人などで賑わうのだが、ここだけは違った。
ロンドンの生活に馴染めない日本人たちの吹きだまりなのだ。
だったら日本に帰ればいいのにと思うような人ばかりが集まっている。

例えば・・・・・・会社をリタイアして夢を追うとロンドンにやって来た中年の男は、
当初の目的を忘れて、サラリーマン時代の自慢話ばかりしている。
他の人達も同じだ。日本でもうまく行かず、そしてロンドンでもうまく行かず。
そんな彼らがなぜここに集まるのか?
傷を舐め合う為か、それとも憩いを求める為か?・・・・・・しかし彼らは見栄の張り合いを続ける。
彼らはここで傷つき続ける。それでも他に行く場所はないのだ。
ああ、ダメな人達の集まる場所。そのレストランはお洒落なノッティングヒルからやや西、ウェルズロード12番地にあった。
そんな中、日本とイギリスの関係が突然、悪くなったようだ。大丈夫なのか?
(チラシより)

 作・演出はMONOの土田英生。女優の割合が多いせいか、MONOの作品とは一味違う仕上がりになっていた。舞台はレストランだが、セットの配置は観客席がカウンターの背後になっていて、店員の背中越しに見る形だ。話の中心がレストランの客達で店員は見守る側なので、これは正しい配置とも言えるが、ちょっと珍しい気がした。

 話の背景はあらすじにある通り。見栄の張り合いを続ける人々の痛々しさがなんとも物悲しくて滑稽だ。ああいうのは同情するより笑い飛ばした方がいいのだろう。店のウェイトレス役を演じた七味まゆ味はお友達なので観に行きましたが、彼女の持ち味は生かしきれてなかったと思う。登場人物で一番「良い人」でしたが、もっと毒々しい役の方が似合ってると思うのです。

2013/02/02-14:00
日本劇団協議会「ウェルズロード12番地」
青年座劇場/当日清算4500円
作・演出:土田英生
出演:柴田義之/藤野節子/椎原克知/広瀬彩/石田登星/笠原浩夫/椿真由美/木津誠之/坂口修一/保科由里子/七味まゆ味/前田聖太/シンシア・チェストン
装置:伊藤雅子
照明:中川隆一
音響:長野朋美
衣裳:森川雅代
舞台監督:野口毅
宣伝美術:佐瀬 勉
プロデューサー:森正敏


posted by #10 at 14:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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