2007年01月08日

いるかHotel「月と牛の耳」

 ある病院にて。1年に1度、入院している父親を訪ねて子供たちが集まる。空手の師範だった父に結婚相手を紹介する長女と、その婚約者だという男。彼は恋人の父に勝負を挑むが、いとも簡単に圧倒されてしまう。

 四人の兄弟姉妹に囲まれて幸せそうな父親だが、その病気の正体が明らかになるにつれて子供たちの辛い思いがクローズアップされる。

 ネタバレになるので病気の正体を書くことは控えるが、家族の絆とは何かを問い掛ける作品。‥‥という紹介はありがちすぎると思うが、そういう作品だ。

 子供たちは皆、父親を慕い、父親の気持ちを守ろうと思っている。しかしそこには矛盾や葛藤が避けられず、もうすぐ破綻するであろう予感を直視せざるを得ない。そんな状況で、人はどんな風にもがくのかが丁寧に描かれていた。

 あのような病気が実在するのかどうか知らないが、もしあるのならやはりあの子供たちのように応じるしかないのではなかろうか。それ以外に、彼を傷つけない方法が見つからないからだ。エンディングはやや無理矢理ウェルメイドな終幕に持ち込んだような気がする。

 ワンシチュエーションのためか舞台装置の安定化が高く、控えめだが的確な照明と音響もきっちり仕事をこなしていた印象。役者は特に目立つ人はいないものの、役柄をしっかり演じきれていたということだろう。

2007/01/08-17:00
いるかHotel「月と牛の耳」
ピッコロシアター/当日券3000円
作:畑澤聖悟
演出:谷省吾
出演:隈本晃俊/加藤巨樹/岸原香恵/入谷啓介/奥田貴政/牧野亜希子/大西千保/(宇仁菅綾)/榊原大介/森崎正弘/永津真奈/横尾学/(梁川能希)/北次加奈子/谷省吾


posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 関西観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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