2005年04月24日

TEAM Japan Spec.「爆発物処理班 朝比奈」

 県警本部爆発物処理班の朝比奈は、デモンストレーション会場で悪質ないたずらをした大学生の古谷を捕まえる。彼はネット上でシニカルなイタズラを勧めるサイト「OYG」の運営者だった。「俺たちは自由がほしいんだ」と言いながら挑戦的な活動をする古谷だったが、やがてOYGはエスカレートし、古谷にも止められない暴走を始める。

 密度の高い、満足できる作品だった。爆弾処理という細かい手元作業の緊迫感を、女優のダンスで表現する演出はとても良かった。処理が完了すると崩れ落ちることから、その女性が解体される爆弾を象徴していることがわかる。こういう演出は映画ではありえない、舞台ならではのアイデアだと思う。

 ネット上で集まった若者が愉快犯グループとなり、やがて暴走する。“大人たちの決めたルールに縛られるのはまっぴらごめん”―古来から繰り返されて来た迷える若者の主張が、現代的な手段で表現されたものだ。この設定自体はすでに目新しいものではなく、体制側としてそれに対する主人公の姿勢と彼に出会った犯人の心情がこの作品の主題だと思う。

 “新人類”とか“ジェネレーションX”など、若者が理解できない大人達が若者に貼ったレッテルはいくつもある。“ネット世代”もまたそうしたレッテルのひとつだろう。他人にレッテルを貼る行為は、相手と自分が別の集団だという意識のあらわれだ。しかし実際は別の集団などではなく、同じ悩みを持ち、同じ恐怖を感じ、同じ幸福を求める人間たちが、異なる時代に、異なる対象に、異なる手段で表現をしているに過ぎない。だから若者が暴走したとしても、切り捨てることなく救いの手を差し伸べる責任が大人たちにはある。

 ‥‥ということをこの作品が言いたかったかどうかはわかりませんが、「自由ってそんなに大切なモノなのか?」という挑戦的なコピーに触発されて観劇した後にそう感じました。

2005/04/24-18:00
TEAM Japan Spec.「爆発物処理班 朝比奈」
築地本願寺ブディストホール/当日券3000円
作:磯貝隆広
演出:川野芳徳
出演:斉藤太一/加藤大騎/腰高卓也/松田優梨/川野芳徳/伊藤真理子/早瀬藍/岩田明/値賀忠士/壬生亮佑/八神祥子/下嶋亜由美/西岡知美/安保崇/鈴木啓司


posted by #10 at 23:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 東京観劇1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TEAM「Japan Spec.」の者です!
観に来ていただいてありがとうございました!

9月には横浜でVol.006もありますので、是非観に来てください。より精進します☆

Posted by TEAM「Japan Spec.」 at 2005年04月27日 10:43
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