2005年04月16日

流山児★事務所「ハイ・ライフ」

 刑務所から出てきたばかりのバグに、ジャンキー仲間のディックが次の犯罪計画を明かす。そのために必要な仲間として誘われたドニーとビリーもまた、筋金入りのがジャンキー。一獲千金を狙って目をつけたのは銀行のATM。だが、ことあるごとに内輪もめの4人の犯行が計画通りに行くはずもなく‥‥。

 昔のアメリカ映画のようなしゃれた雰囲気。描かれた男達はどうしようもなく堕落したヤク中ばかりだが、なんとも憎めない。無謀としか言いようのない計画はもちろん失敗するが、失敗の理由もまたヤク中らしい。冷静に考えたらただの不道徳な犯罪者集団の話だが、それでも応援したくなるから不思議だ。

 このくらいの人数の舞台はごまかしが効かず、役者の力量や戯曲の良さが明確に現れると思う。この作品はすでに評価の高い戯曲に加えてどの役者も円熟した演技で、充実した空間となっていた。

 惜しむらくは、舞台の両側に座席を配置したため、座る場所によっては重要な場面がよく見えなかったことだ。私はあるシーンで役者達の背後から見る位置になってしまった。しかしそれを差し引いても、満足できる舞台だった。

2005/04/16 14:00
流山児★事務所「ハイ・ライフ」
愛知県芸術劇場小ホール/前売券3500円
作:リー・マクドゥーガル
演出:流山児祥
出演:千葉哲也/塩野谷正幸/若杉宏二/小川輝晃
posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 名古屋観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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