2005年04月16日

ひげ太夫「蛇骨ボウズ」

 草原のカルド族の土地は、白蓮王のもとで周辺諸国を次々に武力制圧していく円の国によって蹂躙され、神体である巨木が抜き去られてしまう。井戸も涸れ、悲嘆にくれるカルド族の前に現れた不思議な男、蛇骨ボウズ。彼は大地と対話し、その力を借りて様々な技を繰り出す。カルド族の頼みで円の国の都にやってきた蛇骨ボウズは神体の巨木を取り返そうとするが、あくどい将軍らが立ちはだかる。

 建物や波などをすべて身体表現で描くスタイルであることは聞いていたが、実際見るとなんとも愉快だ。効果音の多くも「どどーん」「ざざー」など口で言っている。こういう表現は観客に想像力が求められがちだが、意外と自分の頭で補完している気にはならず、自然と飲み込めた気がする。18回目の公演というキャリアは伊達ではないと感じる。

 アクション、シリアス、コメディ、いくつものテーマを織り込んだ物語だが、不思議に煩雑な印象はない。ひとつひとつの演出が率直でわかりやすいからだと思う。「♪蛇骨おまえは樽の中〜」というフレーズが耳に残って数日間離れなかった。

2005/04/16 19:00
ひげ太夫「蛇骨ボウズ」
萬スタジオ/当日券3200円
作・演出:吉村やよひ
出演:吉村やよひ/川崎みそ/文人/松葉祥子/田嶋繭子/永井ひとみ/駒形夏月


posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック