2012年11月03日

弘前劇場「素麺」

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秋。
青森県津軽地方にある旧家。
現在の家主は、市役所に勤務する長女、
宮古を頻繁に訪れている次女、
教育実習を終えたばかりの三女の姉妹であるが、
一緒には暮らしていない。
空いている部屋を下宿として貸し出していたこの屋敷は、
代々の下宿人や家族が愛してきた書籍であふれている。
古くからの蔵の改修も終わり、あふれた書籍を片付けようと
家主である三人の姉妹、出入りの鳶衆、下宿人らが集まっている。
そして、その中には、座敷童子もいる。
しかし、この座敷童子。
どうやら、この家からいなくなろうとしているらしい。
なぜ、そして、どこへ座敷童子は行こうとしているのか・・・。
(当日パンフより)

 率直に言ってすばらしい舞台だった。スズナリの空間が旧家の広々とした書斎になり、左右の壁にそびえる高い書棚に積まれた大量の書物から、懐かしい紙の匂いが漂ってきた。

 最初は休暇に住み着いた座敷童子と家族の話かと思ったが、次第に震災の爪痕が見えてくる。書棚の書籍がどれも立てられておらず横にして積まれていることや、蔵を修理する鳶がずっと出入りしていることも静かにそれを示していた。あの時それぞれに何があったか、ゆっくりと語られる。

 しかし決して、震災をネタにしたお涙頂戴ではない。良い作品はどれもそうだが、結局は「人」と「人の関係」を描いている。それも実に繊細な心の機微が丁寧に描かれている。笑いが暖かく登場人物がみんなとても愛おしい。

2012/11/03-19:30
弘前劇場「素麺」
ザ・スズナリ/当日清算3500円
作・演出: 長谷川孝治
出演:永井浩仁/高橋淳/田邉克彦/林久志/藤島和弘/小笠原真理子/国柄絵里子/寺澤京香
舞台監督: 地代所大一
照明:中村昭一郎
音響:平塚麻似子
舞台美術:黒滝奎吾
宣伝美術:吹田風子


posted by #10 at 19:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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