
老人ホームから抜け出した老婆六人が、天の岩戸を求めて夜の東京スカイツリーに忍び込む。カッパみたいなペンギンが出てきたり、懐かしい雰囲気のCMが再現されたり、古き良き時代のような演出なのにスカイツリー。何を描こうとしたのかは最後まで掴み損なった気がするが、なんとなく優しい気持ちは伝わってきた。
神話では岩戸の前で裸踊りをして天照大御神を誘い出したと言われるが、この老婆たちは面白おかしい歌会をやってみせる。そのシーンがまた相当長い(作品全体の長さに対して)。面白いんだけど、その意図がしばらくわからなかったので、一体この芝居の本筋はどこなんだと不思議だった。
東京スカイツリーにはまだ登っていない。登る時はきっとこの話を思い出すだろう。天の岩戸は見えないだろうけど。
2012/10/20-15:30
菅間馬鈴薯堂「天空への途」
王子小劇場/劇場支援会員
脚本・演出:菅間勇
出演:稲川実代子/熊谷ニーナ/辻川幸代/黒岩三佳/板倉美智子/瀬戸口のり子/千田里美/堀暁子/代田正彦/西山竜一/舘野完/村田与志行/岡ア智浩/高橋康則/吉川湖
演出助手:村田与志行
舞台監督:西山竜一
舞台監督助手:岡ア智浩
照明:吉嗣 敬介
音響:今西工
映像・写真:中村無可有/神山靖弘
舞台美術:西山竜一
衣装:稲川実代子
チラシ:香田恵子(デザイン)/悪猫(絵)