2012年09月16日

tsumazuki no ishi「HEAVEN ELEVEN OF THE DEAD」

heaveneleven.jpg

「ゾンビの出てこないゾンビのおはなし」
世界中の人々がゾンビになってゆく時、その人々の魂は、昇天できずに、あの世とこの世の中間世界で立ち往生していた。
自分が生きていたころには感じることもなかった、死について、生きるということについての感覚を、それらに戸惑いながら、一個の無垢な魂に還るまでに、それらを味わい受け入れる、群像悲喜劇。
(チラシより)

 上記のあらすじでは判りにくいが、つまりゾンビ化した人々の肉体は「この世」に留まり、その体を動かす意識は「中間世界」にいるという構造になっている。舞台は中間世界でのやり取りであり、肉体のあるこの世の状況は言葉で語られるのみだ。中間世界と言っても見た目は普通のコンビニの駐車場で、そこにたむろっている。彼らの姿は幽霊のように、一部を除く人間には見えない(唯一、コンビニ店員の一人には見えている)。

 よく考えると何故そこに生身の人間がいるのか不明だが、それよりもっと不可解なのは、精神のみの存在である彼らが肉体を遠隔操作するのにスマホや携帯を使っていることだ。どんなアプリなんだかわからないが、しきりに画面をタッチして見えない肉体を動かしている。いかにも最近の演出だが、どういう効果を生んでいたかはよくわからない。

 状況を飲み込むのに手間取って後から振り返って理解できた部分が多かった。それは別に構わないのだが、せっかく作った設定があまり物語として生かされていなかったように感じる。生かせたのは終盤、この世で植物人間になっている博識の男をみんなで襲う場面だけだったろう。その場面は確かに独特の緊迫感があった。視覚的には誰も暴れていないが、向こう側で大暴れしている様子が伝わってきた。しかしそれを生むためだけにそこまで話を引っ張ったわけでもあるまい。

 もうひとつ、終盤で明かされる設定というか真相(主人公の想像の産物だと思っていた女が、逆に主人公たちを含む妄想の主だった、のか?)もまた、さかのぼって何かを納得させるようなものではなかった。

2012/09/16-19:00
tsumazuki no ishi「HEAVEN ELEVEN OF THE DEAD」
ザ・スズナリ/当日清算3500円
作:スエヒロケイスケ
演出:寺十吾
出演:/亜矢乃/柿丸美智恵/津村知与支/西園泰博/舞山裕子/寺十吾/宇鉄菊三/日暮玩具/松原正隆/岡野正一/中野麻衣/佐藤健/大高洋
照明:Jimmy
音響:岩野直人
舞台監督:田中翼
舞台美術:小林奈月
宣伝写真:久家靖秀
宣伝美術:飯塚文子


posted by #10 at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック