・・・何して遊ぶ?(チラシより)
少年は楽しかったのです。
龍と遊ぶその日常が。
霧にまみれたその谷で、
龍と過ごしていた日々が。
いつまでもいつまでも、ただ龍と遊んでいたかった。
ミミズみたいにヌルッとした皮膚が
蛇のように大仰なその眼が
ずるっと覆われた感覚が
龍の長い尾と髪とその腕に包まれて
まどろみをむさぼっていた日々を
忌み嫌い
呪い
メキシコ人に窘められて
謳います
聞いてください
「ある恋の物語」
小さな小さな芝居小屋で、"Puff (The Magic Dragon)" をモチーフにした、子供の頃の想い出のほろ苦さとラテンの血とシモネタとサイケデリックとファンタジーが同居したお芝居を観た。ああ、こういうのが好きなのだ。役者さんはみな若いけど存在感があった。
前回の桃尻犬の公演で度肝を抜かれた堂本佳世が出ていて、なぜか一切セリフなしで歌とちょっとした動きだけの登場だったけど、それでもうわぁって思うほど良かった。後でTwitterを見ていたら、ロ字ックの「鬼畜ビューティー」でセックスに奔放な妹を演じていたのも彼女だと知って、改めて女優の恐ろしさ(まるで別人)を感じた。
色々と満足した。
2012/09/09-13:00
桃尻犬「秋の霧、龍にまみれ、居心地がよく」
新宿ゴールデン街劇場/当日清算2000円
作・演出:野田慈伸
出演:成瀬正太郎/渡邉晋/湯口光穂/野田慈伸/堂本佳世
照明:柴田晴香
音響:阿久津未歩
音響操作:小川陽子
記録写真:奥山郁
宣伝美術:NiNi
演出助手:青野由輝香
制作:田村亮太