極限の直射日光ロングショット社会派演劇!(チラシより)
あらすじ。消えちまいたい。と思いながら、眠ったのに、朝、目が覚めたら、やっぱり俺はここにいる。レンタルビデオの返却は今日の午前十時まで今、何時?やべー。もう9時半かよ。さっさと返しに行かないと、延滞料を払う金さえ俺にはねぇってのに自転車がねぇ。誰だ、俺のチャリパクったやつ。ぶっ殺す。周りのチャリを将棋倒しでザマーミロ!って痛ぇ!チャリがこっちに倒れてきて超足痛ぇんだけどふざけんな。俺は足を引きずりながら走る。ビデオ屋への道を。太陽がやばい超あちー。汗はだくだく。煙草の吸い過ぎで息ができない。肺が爆発しそう。マジでもう無理すぐに走る気ゼロでノロノロ歩く。今、何時?9時55分。ギリギリセーフでビデオ屋へ。間に合ったぜやべ。店員の子、可愛い。けど俺の顔面汗まみれ。終わってる。死にたい。え?何?ケースの中身が空だって?マジで最悪。とか思ってたら、今日一日が終わってる。クソったれ・マジで俺って生きてる価値ないわ。消えちまいたい。
京都の劇団なので大阪にいた頃から名前は聞いていたが、観たのは初めて。名前はアングラっぽいし実際ストレートプレイではないけれど、とても前向きに作品を作り込んでいる印象を受けた。
行方不明の息子を探す老母、息子が家を出たことを喜ぶ母親、息子の好物である豚キムチを作ってあげる母親、スキャンダルでも子供を生みたいと願う若いアイドル。困難を極める母と息子の半生を逆回しで描いていく。
音楽も逆再生。客席が通常と反対側に設営されていたのも逆転を意図していたのかもしれない。そしてほぼすべての効果音を役者達が声で行うスタイルは、最初のうちはちょっと違和感があったものの、慣れてくるといい感じに落ち着いた。これらの演出技法はそれだけに注意すると凝りすぎな感もあるが、何も考えずに観ている分にはとても上手く作品にマッチしており、それ以外にないような気もしてくる。
余談だが、ピンク地底人2号は何度か笑の内閣に客演しているのを観たことがあり、その時はいかにもコメディエンヌという印象で、役者としての印象は高くなかった。ところが今回は堂々たる女優っぷりを示しており、わーこの人実はすごいんだと感心すると同時に、やっぱり笑の内閣はヘタウマなんだなと納得した。
2012/08/18-14:00
ピンク地底人「明日を落としても」
王子小劇場/劇場支援会員
作・演出:ピンク地底人3号
ピンク地底人2号/クリスティーナ竹子/ピンク地底人5号/ピンク地底人6号大原渉平/片桐慎和子/勝二繁/高山涼/殿井歩/諸江翔大朗/脇田友
舞台監督:若旦那家康
舞台美術:さかいまお
照明:山本恭平
音響:森永キョロ
制作:ピンク地底人5号/ピンク地底人6号/martico/浅田麻衣
チラシとか:ピンク地底人2号
宣伝写真:末山孝如