
「古事記」が好きです。(チラシより)
命や性に関して残酷な描写、
現在では許されないような表現が多々あって、
最初は過激に思えたものですが、
今ではその過激さも稚拙で大らかなものに思えてきました。
そしてその大らかさのなかにあたたかさすら感じてしまい、
暇があれば読むようになりました。
「古事記」によると人間は草だそうです。
どんなに愛そうと苦しもうと草である。
この情感に深く共感して
「ピラカタ・ノート」をつくりました。
残酷さだけで終わらない、
美しさと強さを感じていただければ幸いです。
───ごまのはえ
上記のように古事記になぞらえた国生み伝説から始まるが、並行して現代の家族やコミュニティのドラマも展開する。関西のベッドタウンとして作られた枚方の団地で暮らす夫婦。彼らが飼っている魚の水槽。京阪電鉄の神様。悪ガキにいたずらされる少年とその姉。多様な物語がシームレスに語られていく様子はとても素敵だった。
深く読めば残酷なところもあるが、残酷なことであっても全部許容するような懐の暖かさを感じる舞台だった。特にこれといった起承転結があるわけではないが、それでも物語を感じさせる巧みで優しい演出を堪能した。
2012/07/21-14:00
ニットキャップシアター「ピラカタ・ノート」
アトリエ春風舎/事前入金3000円
出演:門脇俊輔/高原綾子/澤村喜一郎/市川愛里/織田圭祐/藤田かもめ/ごまのはえ
舞台美術:西田聖
照明:葛西健一
音響:三橋琢
衣裳:市川愛里
小道具:織田圭祐
絵:竹内まりの
宣伝美術:大庭佑子
宣伝映像:本郷崇士
制作:高原綾子/澤村喜一郎/藤田かもめ
プロデューサー:門脇俊輔