
事故で引退を余儀なくされたマジシャン。(チラシより)
再起をかけたイリュージョンの最中、惨劇は起きた。
衆人環視の密室殺人、そして更なる被害者が――
まごころ18番勝負、一年半ぶりの本格ミステリは、
絶海の孤島を舞台にした連続密室殺人事件!
なんちゃってではなく本気でミステリーものの作品。初見の劇団なのでいつもこんな感じなのかわからないが、小劇場系の演劇としてはちょっと珍しいと思った。
とぼけているようで実は切れる探偵と、頑張ってるけどちょっと抜けてる助手。やたら怯えまくる女の子とかニヒルな医者、過去を秘めたマジシャンと訳ありなアシスタント、パニックを起こすタレントと冷静な業界人など、ミステリーを構成するためのパーツとして過不足なくキャラが配置され、もはやベタと言ってもいいくらいだ。
探偵がずっと飴を舐めているのはキャラ作りとしてやりすぎな気がしたが、総じて悪い意味のベタさではなく、基本に忠実にしっかり作り込まれていたと思う。完全には謎を解ききらず余韻を残す終わり方も良かった。あれはどういうことだったんだろう?などと振り返って考えるのもまた楽しい。
2012/07/08-13:30
まごころ18番勝負「錯惑の機序、或いはn質点系の自由度 The Slight Light Like Sleight of Hand.」
王子小劇場/劇場支援会員
脚本・演出:待山佳成
出演:稲村優奈/大久保藍子/小田久史/川原元幸/榊原仁/谷田部勝義/さこうひとみ/鈴木健太/中村豆千代/簗木由貴/ゆきを
舞台監督:ヨヲスケ
照明:まごころ18番勝負
照明オペレータ:松本朋也
チラシイラスト:榊原仁
音響:待山佳成
大道具:有限会社マツモト工業
小道具:中村豆千代
制作:岩崎育未
制作補佐:小林博之/小町幸乃/田中日出和