2012年06月10日

ロ字ック「鬼畜ビューティー」

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「私、姉は嫌いです。いつもヘラヘラしてて、重くて地味でつまんなそうで。」
―私はアイドル。なりたくてなったけど、空っぽのアイドル。

「私、妹は嫌いです。いつも話の中心で、適当でわがままで自己中で。」
―私は先生。なりたくてなったわけじゃないけど、正義の先生。

妹は保守的な姉が生理的に嫌いで、姉も自由奔放でセックスフリーな妹に軽蔑の念と、ほんの少し憧れを抱いている。ひとつの部屋に同居している、売れないアイドルと男を知らない中学校の教師。 ふたりは姉妹で、どちらにせよどうしようもない。

「女の童貞はこじらせると男のそれより、質が悪い」

今作は、そんな選ばれない姉妹のお話。 乱雑な玄関、隣り合わせの部屋。うんざりだ、こんな生活。
(チラシより)

 主にセックスについて全く異なる生き方をしてきた姉妹。高校教師の姉は堅物でグラビアアイドルの妹は奔放。同居してるので必然的にぶつかるわけだが、姉の方があるきっかけで暴走を始める。(ちなみにこういう場合は真面目だった方が奔放になっていくのが普通で、この作品もそうだが、逆のパターンはあり得ないのだろうか)

 恋愛や子供の教育に関して“女”の汚い面をこれでもかこれでもかと叩きつけるように次々提示する舞台で、男としてどういう態度で臨めば良いかわからなかった。とは言えこっちがどんな態度だろうと向こうには関係ないので、深く考えずに楽しむ姿勢で観劇することにした。

 オープニングで使われた川本真琴の曲は私の学生時代にヒットしたもので、女子高生の「お母さんがカラオケでいつも歌ってる!」というセリフはちょっとショックでありつつ、十数年前だからさもありなんとも思いつつ。

 その女子高生たちも(演じてるのは本当の高校生ではないのだろうけど)いかにも駅で騒いでいそうなうるさいやつら。音楽を爆音で流して喧騒を作り出す演出はよくあるが、登場人物のおしゃべりだけで耳がワーーーンとなるほどのパワーに圧倒された。あの子たちすごい。

2012/06/10-17:00
ロ字ック「鬼畜ビューティー」
サンモールスタジオ/当日清算2500円
作・演出:山田佳奈
出演:川原真衣/山田佳奈/小野寺ずる/堂本佳世/竹田有希子/長瀬良嗣/松浦智美/川船敏伸/白石量子/寺尾みなみ/轟もよ子/葉湖芽/山田麻子
舞台監督:佐藤秀憲
照明:大津裕美子
音響:久郷清
舞台写真:Pinco
Web:サイトウ
QPOD:金田慎平
題字:宮原真理
演出助手:桑田拓哉
衣装:山下奈那
制作:宮原真理/川原真衣/清水美峰子
posted by #10 at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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