
西暦2011年11月11日11時11分11秒。(チラシより)
デジタル時計の表示に同じ数字が12個並ぶ、人類史上初の奇跡の瞬間。
物語はそこから始まる。
デジタル時計のゾロ目に執り憑かれた男、モリシタ。
彼は4秒だけ過去に戻れる不思議な能力を持っていた。
この宇宙の物理法則をねじまげる奇跡の力でありながらも、
その効果時間の短さから彼には何も取り戻せない。
彼の手をすり抜けた大切な者も、言うべきでなかった言葉も、
のびてしまったカップラーメンすらも。
現実にはほぼ役にたたないその奇跡の力を中心に、
人々の現在と過去が交錯していく。
そんな中、過去によってデジタル時計のゾロ目に執り憑かれた男は、
その力を未来の為に使おうとした。
4秒だけ戻れるタイムトラベラー、遺体の冷凍保存技術を開発する胡散臭い会社、警備会社のボディガード、怪しげなジャーナリスト、一本気な研究者‥‥と、ありがちな感じの設定やキャラクターが居並び、小劇場としてはかなりストレートな作品だった。
しかしストレートなりにきっちり構成されていて、脚本は良かったと思う。特に、ギャグとシリアス、かっこいいのと弱っちいのが巧みにすり替わるところはちょっとウルッときた。
ただ舞台装置の質感が安っぽく、役者もしばしばセリフを噛むことがあったので、舞台の完成度は今ひとつだった。脚本が良かっただけに残念だ。
2012/05/26-19:00
劇団鋼鉄村松「西暦2222年2月22日の22時22分22秒」
シアターグリーンBASE THEATER/当日清算2500円
作・演出 バブルムラマツ
出演:ボス村松/ムラマツベス/村松かずお/サラリーマン村松/村松ママンスキー/藤本かな子/山村誠二/福満瑠美/藤堂巧
照明:仲光和樹(E-FLAT)
音響:木谷優花(KYYK trick)
舞台美術:伊藤健太
宣伝美術:木原萌美
広報:上平麻衣子
舞台監督:縣裕恒