
「静かに殺したい」
大学生の連続殺人犯、笹井涼介。(チラシより)
ある日、彼がいつものように一目惚れした女性の死体を
解体している、そこに酔っ払ったサークル仲間が、
大勢で部屋に押しかけてきた!
何も知らずに部屋を物色する友人たち。必死に追い返す涼介。
果たして彼は、死体を隠し通すことができるのか…?
アイデアは特に目新しいものではないが、展開の運び方は面白かった。ベタなんだけど上手に構成していたと思う。ラストにちょっとしたどんでん返しがあり、感の鋭い人なら早い段階で気づいたかもしれないが、私は最後まで気づかなかったので結構感心した。
ただ、全体的に演技演出は学生演劇っぽいガチャガチャしたもので、あまり洗練された印象はない。もっと上手い役者とセンスのある演出が揃えばかなりの秀作になりうるのではないだろうか。
「異性人」
「宇宙人」と名乗る集団が世界各地に出没しはじめ早一年。(チラシより)
彼らは皆、成人男性の姿をしており、
そして二人で手を繋いで活動していた。
とある事故で命を落としたはずの青年が目を覚ますと、
自称「宇宙人」の謎の男と手を繋がされていた。
“お前を蘇生させるまで、
私が新しい相棒を見つけるまで、
我々は手を繋がなければならない”
片割れを失った宇宙人に告げられた、一方的なルール。
周囲の誤解を恐れた青年はその様を隠して暮らそうとするが、
噂はどんどん広まっていき…
こちらは割と斬新なアイデアの作品。宇宙人役の人が本当に人間じゃないっぽい雰囲気を出していて面白かった。そして荒唐無稽な設定の中に、差別や偏見に関するドロっとしたものを混ぜ込んでいたようだが、それが説教くさくなる寸前でコメディの枠に収まっていた。いやちょっとだけはみ出ていたかもしれないが、あくまでコメディだった。
2012/03/11-19:30
アガリスクエンターテイメント「異性人/静かに殺したい」
シアター・ミラクル/当日券2500円
脚本・演出:冨坂友
出演:浅越岳人/鹿島ゆきこ/塩原俊之/江本和広/如月せいいちろー/木村ゆう子/甲田守/後藤慧/斉藤コータ/菅谷和美/細井ひさよ/望月雅行
舞台監督:小川聡士
音響:安田達朗
照明:南雲佑
美術:山田尚吾/新保瑛加
演出助手:山本佳耶
宣伝美術:清水桃菜
記録・宣伝写真:あやさくら
WEB制作・制作助手:西川瑞己
制作:小塚早希子
上席特別顧問:小林大陸