2012年02月26日

MONO「少しはみ出て殴られた」

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建物の中に国境線がひかれた─ 何も変わらないはずだったのにね。
ある時ヤツがふざけて言った。「この線から出たらダメってことにしよう」
私はわざと線から手を出してやった。ヤツは笑いながらその手を押し返した。そんな戯れを繰り返した。それからどれくらい経ったっけ?
遊びたくなったので、私は笑いながら手を差し出した。すると……ヤツは突然殴り掛かってきた。一切の笑顔を消して。
見えない線。線とは何かを巡る寓話。
(チラシより)

 架空の国の刑務所の中。政変が起きて国が分割された。囚人たちは自分の出身地でどちらの国に属するか決める。他愛のない冗談で始めたことのはずなのに、次第に本物の「線」が生まれていく。友達だったのに。仲間だったのに。本気で憎み合い始める。

 実にいやな話だ。人間の歪んだ面がジワジワと露出していく。後半は沈痛な面持ちで観ていたと思う。染み入ってくる作品だった。

 発想自体はありがちだろう。しかし普通の劇団がやったら説教じみた陳腐な芝居になってしまうであろうテーマを、MONOはこんなに明るく切なく苦しく描いてみせる。結末はかろうじて救われる。でも救いすぎもしない。MONOは本当にいい芝居を見せてくれる。久しぶりに実感した。

2012/02/26-14:00
MONO「少しはみ出て殴られた」
吉祥寺シアター/当日精算4000円
作・演出:土田英生
出演:水沼健/奥村泰彦/尾方宣久/金替康博/土田英生/岡嶋秀昭/諏訪雅/中川晴樹
舞台美術:柴田隆弘
照明:吉本有輝子
音響:堂岡俊弘
衣裳:大野知英
演出助手:磯村令子
舞台監督:松下城支
イラスト:川崎タカオ
宣伝美術:西山英和/大塚美枝
宣伝写真:東直子
制作助手:松竹英里
制作:垣脇純子/本郷麻衣/田平有佳


posted by #10 at 14:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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