2012年01月14日

ガレキの太鼓「吐くほどに眠る」

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ひざまずいて許しを乞えば、どこから始められるだろう
私が何かをやったとて、誰に関係なんぞある
あなたが何かをやったとて、私の目には入らない
泣いてしまえというなら、その方法を教えてほしい
弱音を吐けというのなら、全て受け入れてくれるのかい
甘えるなと君は言う
強く生きろと君は言う
ならどうぞほっといて
どうか私をほっといて
お願いだからほっといて
ガレキの太鼓、女だらけの人間賛歌
1年半ぶりの再演
肩を震わせ泣いたあの子の、人生の物語
(チラシより)

 一人の女性が自分の半生を語っている。物心ついてからずっと大好きだった兄、バンドをしていた高校生時代、恋人と結婚と、母との確執、楽しい時間と辛い思い出。悪い人は出てこない。弱い所やダメな所はあっても真摯に生きていて、みんな彼女を大切にしてくれる。にも関わらず彼女は不安定になってしまう。その前に彼女の兄がどうかしちゃったわけだが。みんなして自分を責める姿は痛々しい。

 出演者は女性ばかりで、膨大な数の衣装を舞台上で次々に着替えていく。この発想は女性的だなと思った。そして男性を演じる時はおかめやひょっとこのお面を付けていたのは、男の滑稽さを示すものだろうか。ごちゃごちゃしているようで良く見ると衣装以外はシンプルで黒い舞台装置は全体の印象を引き締めていて良かった。

 個々のエピソードはいずれも面白くて味わい深い。ただ、作品全体として伝えたいものが何だったのかイマイチ掴めなかった。彼女の人生をただ語りたかったのか、その苦しみと幸せを讃えたかったのか、それともミステリーじみた裏があったのか。ひょっとしたら私が気づかなかったポイントがあったのかもしれないが、いずれにせよ消化不良だった。多分、何か見落としてると思うのだけど。

2012/01/14-18:00
ガレキの太鼓「吐くほどに眠る」
こまばアゴラ劇場/当日券3000円
作・演出:舘 そらみ
出演:井上三奈子/北川裕子/小瀧万梨子/橋智/富田真貴/南波早/由かほる/吉田紗和子
舞台監督:森山香緒梨
美術:濱崎賢二
音響:田中亮大
音楽:森優太
照明:岩城 保
照明操作:山岡茉友子
衣裳:中橋玲子/本間圭一
演出助手:原岡岳穂/日坂春奈
演出補佐:久保大輔
宣伝美術:大木 瞳
WEB:池田宇大
モデル:伊藤幸子
制作:梅田桃/矢口友朗/森口さやか
制作補佐:鈴木明日香/工藤寛泰


posted by #10 at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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