2011年12月16日

Minami Produce「バータイム/パラダイム」

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『密室からではなく、時間からの脱出。』
平日深夜、バーに流れる時間は伸びたり縮んだりする。デートの最後にここへ来たあの若い男女にとっておそらく一瞬に過ぎてしまうこの時間は、いつも角の席を占有している職業のわからない常連の女にとって永劫かもしれない。しかし、俺は、俺にはわからない。
俺の目の前にはおおぶりの氷がひとつ入ったスコッチウイスキーのロック。グレン・リヴェット。「お前には似合わない酒だよ」 と言ったマスターの言葉が俺の耳にまだ残っている。だが、この酒は、俺は、一体何杯飲んだ?俺の記憶には飲み干されたロック グラスが何百とならんでいる。
だけど、俺の前にはまた、琥珀色の液体に満たされたグラスが置かれている。 俺は、この時間の牢獄からかならず抜け出す。
(サイトより)

 エビス駅前バーで、バーを舞台にした芝居。この会場は必然的にそうせざるを得ないと思うので、その点では直球だ。同じ時間の中をループし続ける男が、ループの原因を探して脱出を試みるのだが、ファンタジーかと思ったら実はミステリー。一時間強という短い中で意外と複雑な展開があった。所々挿入される時間に関するウンチクに、過去に読むのを挫折した本に書いてあった内容が出てきてちょっと驚いた。

 ループしているので同じ場面が何度も繰り返される、しかしちょっとずつ変化する。脱出ゲームはやったことがないのでピンと来ませんが、世界が試行錯誤する様子を外から眺める感覚はなかなか面白い。真相の種明かしについては多分、推理小説的には反則だろうけれど、ドラマとしてならOKの範囲か。

 観ていて、なんとなくテレビドラマのような印象を受けたのだが、あとから考えると「世にも奇妙な物語」に似ていたのだ。前回観た「とても個人的な物語」は小説を朗読しているような感覚があったし、南さんの書く戯曲は芝居らしからぬ面があるのかもしれない。

2011/12/16-21:00
Minami Produce「バータイム/パラダイム」
エビス駅前バー/前売券2300円
http://minami-produce.com/
脚本:南慎介
演出:高梨由
出演:田中正伸/島田雅之/小島明之/榊菜津美/水津亜子/根本沙織/だてあずみ。/三浦佑介
posted by #10 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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