近所の神社で妖怪を見たなどという噂がもっともらしく聞こえるような、東京の下町の商店街にある雑貨屋の息子。ある日、薄汚い格好でふらりとやってきた叔父と、町を調べている不審な男。二人は神社に封印されている何者かを巡って激しい戦いを始める。
山奥ではなく東京の下町を舞台にした妖怪とまじない師の物語。東京という街は日本で一番先進的な都市であるがゆえに、こういった超常現象を絡めるのも絵になる。極端なところでは『帝都大戦』などが有名だろう。元々はミスマッチを狙ったのかもしれないが、むしろファンタジー色がほどよく中和されている。
「ISIS(自立不能舞台装置システム)」と名付けられた“俳優が支えていないと倒れてしまう舞台装置”は、不安定だからこその躍動感があって好印象だった。おじさんを演じた坂本和彦の風貌はとても役に合っていたが、対立するまじない師を演じたバビィはもうちょっと冷たい雰囲気があると良かったように思う。
2006/09/09-14:00
劇団桃唄309「おやすみ、おじさん」
中野ザ・ポケット/前売券3000円
作・演出:長谷基弘
出演:楠木朝子/山口柚香/坂本和彦/森宮なつめ/貝塚建/バビィ/吉田晩秋/鈴木ゆきを/にうさとみ/小林さくら/吉原清司/佐藤達/藤本昌子
2006年09月09日
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